“最初に獲ったのは自分だ”と主張する少年を含むグループ（＝B）、さらに別の人物（＝C）も現れた。彼らが「A」やオークション会社に対して、ボール売却などの差し止めを求めて、州の地方裁判所に訴えを起こすカオスな状況となっている。

　そのような状況の中でも、オークションは10月8日現在、手数料込みで183万ドル（約2億7084万円）という高値で今も進行中だ（終了は日本時間10月24日）。

　詳細な訴状や状況などを把握することは難しい。とはいえ、こんな騒動を大谷自身が望んでいることではない。

　ある日本人社長が「本人に返す」ことを目標に入札しているようだが、匿名で落札して球団に寄付という形を取らない限り、“売名行為”との指摘が起きることも予測された。少なくとも今の状況で落札したとして、それほど高額なものを大谷サイドが受け取るのも難しくなるのでは、というのが正直な感想だ。

「打者から離れたボールは観客のもの」だが

　ホームランボールを巡る騒動はMLBで繰り返されている。

　それは過去の判例で「打者から離れたボールは、観客のもの」となっていることに起因する。このルールに関して「一部例外の場合を除いて」という条件を付けることはできないものかと思う。

　それは「選手に特別な記録が掛かる場合、特殊な刻印球を使用している場合は除く」というもの。

　これであれば、通常は「子供たちが球場でボールをキャッチする」という楽しみを奪うことはないだろう。今のルールが改正されないと、今後新たな記録が生まれる際には、業者が外野の全ての席を買い占めるという事態も考えられなくはない。

2018年、大谷のメジャー第1号ホームランボールをキャッチした少年ファンは、本人から直筆サイン入りバットをもらった　©JIJI PRESS

手に入れた紙のチケット…「意味あるの？」の声もあるが

　筆者が現時点で入手できた50-50達成日の球場関連メモラビリアは、マイアミ・ローンデポパークで発券された入場チケットになる。

【次ページ】　手に入れた紙のチケット…「意味あるの？」の声もあるが