スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
「ショウヘイ、大丈夫か?」常勝ドジャースが秘めたスゴみ…大谷翔平・山本由伸に“1500億円投資”、ロバーツ采配の背景「アグレッシブに、だ」
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byAP/AFLO
posted2024/09/28 06:01
ナ・リーグ西地区3連覇を果たしたドジャース。ここ12年で11回の地区優勝、大谷翔平や山本由伸も日々味わう“常勝軍団たる理由”とは
「翔平、大丈夫か?」
こういった働きかけは新加入である大谷に対して「クラブハウスで心地よくなってほしい」との思いがあったからこそだろう。そんなロハスはドジャースでの引退を希望し、将来的には指導者を目指す意向を示している。チームビルディングを意識できるロハスのような選手がいることこそ、ドジャースの強みなのかもしれない。
ガンを克服したロバーツ監督のスタイルとは
<名言2>
我々はスポーツ界の中心にいるんだ。
(デーブ・ロバーツ/Number1094・95号 2024年4月18日発売)
◇解説◇
大谷やベッツ、フリーマン、カーショーといったスーパースターから、ロハスら名脇役を揃えるドジャースを率いるのがロバーツ監督である。
沖縄生まれのロバーツ監督は名門校UCLA卒業後、ドジャース(02~04年)やレッドソックスなどでプレーし、2009年に現役を引退。血液ガンが発覚して闘病生活を強いられた期間があったものの、その後パドレスのコーチ、代理監督を務め、16年にドジャースの監督に就任。2020年には短縮シーズンながらワールドシリーズ制覇を成し遂げた。
ロバーツ監督はデータが非常に重要視されるメジャーにあって、コミュニケーションを重視するタイプの監督としても類型づけられている。
それは大谷に対する接し方を見てもそうだ。
大谷に対しても“苦言と賞賛”の使い分け
得点圏で凡退が続いた頃の大谷に「走者を背負っている場面で落ち着いて、球数を稼ぐ必要もある」と苦言を呈したこともある。その一方で、ベッツ離脱後に1番を任せて、快打を連発すると「彼は完璧。他の選手で適任はいない。彼には経験もある。スイングも良くなっている」と手放しで賞賛する使い分けからも見て取れる。
選手それぞれのモチベーションを保つことが、タレント集団のドジャースで指揮を執るためには必須であることも伝わる。その一方で大谷のドジャース入団会見終了後、ロバーツ監督が「スポーツ界の中心」と表現したのも、決して大言壮語ではないだろう。
ただし、よく槍玉にあがるのがポストシーズンでの成績だ。過去11年、地区シリーズやリーグ優勝決定シリーズで敗退すること8回。ワールドシリーズに進んだのは3度にとどまっている。
ロバーツ監督自身、2023年シーズンにはこう語っていたことがある。
「公式戦では、すばらしい仕事をした。だが、過去2年のポストシーズンで、我々が良くなかったことはよく分かっている」
先発陣が苦しむ今季に限らず、投手交代のタイミングなど指摘されることも多かったロバーツ監督。シーズン最終盤にもロハス、フリーマンと故障者が続く苦しい台所事情の中で、今年こそ“ポストシーズンでも勝てる監督”になれるのか。ロバーツ采配にも注目が集まる。
大谷+由伸で“1500億円契約”の背景
<名言3>
我々の立場からすれば、常にアグレッシブにトライし、勝とうとするだけだ。
(アンドリュー・フリードマン/Number1033・34号 2021年8月12日発売)
◇解説◇
ドジャースは2022年に111勝(勝率.685)、23年に100勝(同.617)と圧倒的な強さを見せてきた。この強さを踏まえれば“継続路線”という球団方針でも不思議ではないが……それは“停滞”になりかねないとばかりに今シーズン開幕前、積極的な補強に動いた。