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「サプライズとかあるとすれば…」引退発表したヤクルト青木宣親(42歳)が語っていた“引退試合のこと”「想像するだけで泣きそうです」
text by
青木宣親×尾崎世界観Norichika Aaoki & Sekaikan Ozaki
photograph byJIJI PRESS
posted2024/10/01 11:14
今季限りでの引退を発表したヤクルト青木宣親(42歳)。尾崎世界観との対話集『青木世界観』の中で“引退試合”について語っていた
そもそも向こうは「引退します」って言う選手が少ないのかもしれない。基本的には契約がないからもうやれない、結果的に引退、という形が多いんでしょうね。向こうは契約が決まらないで浪人する選手も珍しくないですから。それなりのスター選手でも自由契約になって移籍先がなければそうなりますし、何年か経った後に「引退します」と発表するケースもあります。だから一度は引退すると言っていても現役復帰するケースもある。その辺は凄く自由だと感じます。
そういえば(デレク・)ジーターは引退試合という形をとっていましたよね。 2014年の本拠地最終戦で、9回裏にサヨナラヒット。ジーターっぽいガシャーンっていう詰まりながらのライト前でサヨナラ。流石ですよね。やっぱりレジェンドだなと思いました。その試合の少し前にヤンキースタジアムで引退式典があって、 ちょうど僕が所属していたロイヤルズが対戦相手だったので立ち会うことができました。マイケル・ジョーダンが来ていましたからね。あれは流石にヤバかった。招待される人もレベルが違うなと思って。ベンチのところにいたので、思わず写真を撮ってしまいました。
昔は先輩たちがユニフォームを脱いでいくのを見送るという形でしたが、日本に帰ってきてからは引退する後輩を送り出すことも増えました。40歳を迎えてから、自分のその時についても考えるようになりました。引退試合なんてしなくていいから、やっぱり日本一になって終わる、っていうのは理想ですよね。日本シリーズまで行けばそういう形になる。
自分の引退試合を想像したら…(涙)
でもそこに関しては、自分の気持ちの問題だけじゃないですもんね。興行的な部分もありますから(笑)。引退試合、なんか恥ずかしいです。自分の試合、という感覚になってしまう。でも大好きな神宮球場でもうプレーができない。打席にも立てない、グラウンドを走ることができない、守れない、ってなったらもう悲しいです。悲しいなあ。絶対泣いちゃいます。想像するだけで泣きそうです。