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大谷翔平に米メディア“ついに本音”「自信を持って言える」じつは“50-50より絶賛されていた”MLB史上初の大記録…世界はオオタニをどう報じたか
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byNanae Suzuki
posted2024/09/22 17:01
50-50達成、3打席連続本塁打、10打点…大谷翔平の「1日」を世界はどう報じたか
絶賛の嵐「誇張なんかじゃない」
米スポーツラジオの人気パーソナリティ、リッチ・アイゼン氏は自身の番組で「あの試合に入る前、オオタニは50本塁打まであと2本、50盗塁まであと1つだったのに、試合が終わったら51-51になっていた。あの試合は、メジャー史上で選手が1試合で成し遂げた最高のパフォーマンスで間違いない。誇張なんかじゃない」と断言。「この先、もし他に50-50クラブのメンバーが現れたとしても、オオタニのようなド派手なパフォーマンスで達成する選手は二度と出てこないと自信を持って言える。彼は50-50クラブを創設しただけでなく、その中にVIPルームまで作った」と評した。
MLBネットワークは、大谷の大記録達成に合わせて「ドラマチックな記録達成」を特集し、殿堂入りした名選手のうち大記録を達成した試合で圧倒的なパフォーマンスをやってのけた選手を紹介した。アストロズのクレイグ・ビジオが2007年6月28日に3000安打を達成した試合は5打数5安打、ヤンキースのデレク・ジーターが2011年7月9日に通算3000安打を達成したときもやはり5打数5安打を放っており、歴史に名を刻んだ名選手はやはり記憶に残るドラマチックな活躍をするものだということを改めて印象づけていた。
同テレビ局の情報番組「MLBナウ」では名スポーツキャスターとして知られるボブ・コスタス氏が「オオタニはこのままいけば野球殿堂入りするだろうし、今から15年後にもし殿堂入り選手を20人まで絞り込まなければならなくなったとしても、彼はその20人に入るだろう」と最高の評価で賞賛した。
3度目のMVP、見えた…
前人未到の「50-50」が成し遂げられるまで、大谷は球界最高の選手なのか否かという議論は、シーズンを通して米メディアで繰り返されてきた。MLBでDHの選手がMVPに選出されたことはこれまで一度もないが、大谷が史上初めてDHで選出されるのか。他の選手に10本以上の差をつけてア・リーグ最多本塁打記録62本を更新する勢いだったヤンキースのアーロン・ジャッジと「どちらが最強打者か」の論争もあった。そしてシーズン終盤を迎えた今、ジャッジは8月26日から自己最長の16試合連続ノーアーチとなるなど本塁打の量産ペースを落とし、大谷が両リーグ本塁打王の座を僅差で争うまでになった。大谷の3度目のMVP受賞を疑う者も、もういなくなっている。