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「トモくん、どうすんの?」石川祐希が部屋を訪ねてきた…リベロ山本智大が語る”激闘イタリア戦”その後「次も、という気持ちが湧き上がってきた」
posted2024/09/12 11:04
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Asami Enomoto/JMPA
「トモくん、どうすんの?」
準々決勝イタリア戦から2日後。選手村の山本智大(大阪ブルテオン)の部屋を訪ねてきた石川祐希(ペルージャ)が聞いた。
今後の代表活動のことだ。山本は間髪入れずに答えた。
「もちろんやるっしょ」
石川の表情がパッと明るくなった。
「だよね! まだできるもんね!」
パリ五輪前は明言せずも「決めました」
五輪前の取材で、山本にパリ五輪後のビジョンを聞いた時にはこう答えていた。
「難しいですね。パリ後のことは、終わってから考えたい。現役引退はしないです。僕は40歳までやりたいんで。だから引退はしないですけど……」
代表活動については明言しなかった。
五輪のイタリア戦を終えた後、山本はいったん思考を停止した。
「一回、バレーボールを忘れようかなと思って。ちょっと疲れたんで。ずっと頭使いっぱなしであまり寝られていなかったので、ゆっくり寝て、それからという感じでした。でもXとかインスタを開くと、バレーのハイライトとかが出てくる。それを見ると『まだいけるなあ』と思ったりして(笑)」
“次(ロサンゼルス五輪)も”という気持ちが湧き上がってきた。
「僕は目指します。決めました。今回メダルを獲っていたらまた違ったかもしれないですけど。まだ、年齢的(29歳)にもだし、怪我もないので、いけるなと。リベロだし。パリ五輪を見ていても結構30代前半の選手が多い。(金メダルの)フランスの(ジェニア・)グレベニコフもそうだし、(銅メダルの)アメリカも(銀メダルの)ポーランドも、(リベロが)僕より歳が上なんで、まだまだいける。
もちろん選ばれるか選ばれないかはわからないですけど、そこまでの、目指す目指さないは、僕が決められるんで。そこは、やりたいなと思いますね」
そう気持ちが固まった頃に、部屋に石川がやってきた。