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「トモくん、どうすんの?」石川祐希が部屋を訪ねてきた…リベロ山本智大が語る”激闘イタリア戦”その後「次も、という気持ちが湧き上がってきた」 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byAsami Enomoto/JMPA

posted2024/09/12 11:04

「トモくん、どうすんの?」石川祐希が部屋を訪ねてきた…リベロ山本智大が語る”激闘イタリア戦”その後「次も、という気持ちが湧き上がってきた」<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

パリ五輪後に石川祐希(右)とかわした会話を明かした山本智大

「(高橋)健太郎(ジェイテクトSTINGS愛知)とかがイタリア戦後の取材で(代表を)辞めるみたいなことを言ったみたいで、それが記事になっていたので、『みんな辞めるって言ってるけど、トモくんどうすんの?』と石川に聞かれて。『あ、俺はやるよ』って。その時に初めて人に言いました。

 健太郎も『(試合後は)つい感極まって言っちゃった』とか言ってましたけど、まだやるんじゃないですか。僕は全然、やりますね」

 早くも4年後に想いをはせる。

「次も、強い気がします。そこそこやるんじゃないですか。セッター次第ですね。関田(誠大・ジェイテクトSTINGS愛知)さんがやるとなったら、他の人もやるんじゃないかな。メダルを獲るとなったら、やっぱりこのメンバーが必要になるので、意地でも、戻ってこさせるじゃないですけど、そういうのも大事なんじゃないかなと。

 オリンピック前1年ぐらいだけでもいいからって言って、僕はメンバーを集めたいですね。集めるというか、とりあえず関田さんを(笑)。セッターとミドルはまだ層が厚くないので」

 王者フランスにあった“ずる賢さ”

 4年後を目指すと決めた山本に、そこで日本がメダルをつかむためにやるべきことは、と尋ねた。

「もちろんポジションごとに精度を上げたり、スキルアップすることが必要なんですけど、もう一度組織力という部分を見直すことが大事なのかなと。監督が代わってどうなるかわかりませんが、例えば、日本はブロックディフェンスがいいから、サーブでリスクを取る必要はないんじゃないかと思うんです。フランスを見てそう思ったんですけど。

 フランスはもちろんブロックもいいし、サーブもいいんですけど、自分からミスをしないというか、変なところにリスクを負っていない。サーブは、攻めるところは攻めるんですけど、ちゃんと入れるところは入れて、賢くプレーする。スパイクも、無理に打たずにリバウンドを取ったり、うまくブロックアウトを奪ったり、フェイントしたり。賢いというか、ずる賢い。

 日本は今回、無理に打ちにいってブロックをくらうことがあった。今までだったらリバウンドを取ってもう一回攻め直すことができていたんですけど、硬くなっていたというか、決め急いでいたというか。僕も後ろから『リバウンドでいいよ』と声をかけたりしていたんですけど、やっぱりここで1点欲しいというところで、ムキになってしまう。オリンピックという舞台だから仕方ない部分ではあるんですけど。それがオリンピックの難しさなんだなとすごく感じました」

 リベロというポジションからそれらを指摘するのは勇気がいることだが、4年後のために口にする。

 山本自身もリベロとしてまだまだやるべきことがあると言う。

【次ページ】 「経験豊富な守護神」は歴代王者の共通点

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