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「ラーメンも好きですけど…」柔道・角田夏実が“じつは悩み続けていた”過酷な減量…パリ五輪金メダルの裏にあった「階級変更」の大決断
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTetsuya Higashikawa/JMPA
posted2024/08/27 11:04
パリ五輪で金メダルを獲得した角田夏実。栄光の裏には、過酷な減量との闘いがあった
「大会が近づくと『また減量が始まるな…』と」
慣れてきたとはいえ、きついことに変わりない。それは一連の話の中で「めちゃめちゃきつい」と何度も言葉にしたことに表れている。
「やっぱり、減量はめちゃめちゃきついですね。大会が近づくと、『また減量が始まるな……』と思います」
精神面のストレスも大きいから、そこでも工夫を凝らす。
「ずっと好きなものを我慢して減らしていると停滞してしまうので、月曜から金曜まで頑張ったら、土曜日の夜に好きなものを食べて気持ちと体をちょっと一回休ませて、また月曜日から頑張るようにしています。それがあるから乗り越えられるかな」
ちなみに試合前の計量後は栄養補給に努め、試合と試合の合間も摂る。
「試合前と試合後、例えば表彰式とでは、顔もだいぶ違うと思います」
“階級を1つ下げる”、と文字では簡単に書けても、そこには大変な労力が割かれている。2021年から2023年にかけ世界選手権3連覇、パリ五輪金メダルという栄光は、減量と真剣に格闘してきた過程とともにある。