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「大谷さん、どこを目指して突き進んでいるんですか」に大谷翔平は何と答えた? 初MVPに輝いた3年前、じつは“二刀流の危機”を感じていた 

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石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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photograph byNanae Suzuki

posted2024/09/05 17:01

「大谷さん、どこを目指して突き進んでいるんですか」に大谷翔平は何と答えた? 初MVPに輝いた3年前、じつは“二刀流の危機”を感じていた<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

メジャー初のMVPを獲得したエンズルス時代、2021年の大谷翔平。8月を終えて42本塁打&8勝という成績をあげていた中で「二刀流の危機感」について明かしていた

「単純に6、7月あたりはいい流れだったんです。シーズンの中ではそういう時期が来たり、来なかったりがあるんですけど、今年はそれが極端だったというか、とくにいい流れが来ましたね。逆に8、9月の時期になってくると、ウチのように補強もしないで弱いままのチームでプレーするというのは、モチベーションを保つのがけっこうキツかったりするので、ここからのほうが個人的には大事だなと思ってます」

ーー30本のホームランは左ピッチャーでも試合に出られれば、ということでしたが、実際に今年は相手が左だから外れるということはなく、8月までの42本のホームランのうち、左から15本を打っています。ピッチャーとしても25試合という数字を挙げていましたが、8月を終えて19試合に先発しての8勝。この結果は、先入観を覆したというふうには思っていますか。

「そうですね。15勝に関しては日本の視点でファンが求めてくるわかりやすい数字を挙げたんですけど、正直、内容からすれば、13勝していてもおかしくない感じだと思っています。チームにしてみれば防御率とかWHIPとか、そういう数字のほうが自分を判断する上では大事な数字にはなってくると思いますけど、今のところはまだまだ勝負できるそれなりの数字は残っているはずなので、本当にこのあとの1カ月ですね。この1カ月が一番しんどいと思うし、大事なのかなと思います」

ーーまだまだ勝負できるって......それはピッチャーとして、ということですか。

「そうです」

ーーえっ、まさかピッチャーとしてこの先、チームが勝負させてくれなくなる不安を抱いていた、ということでしょうか。

「本当に、今年はラストチャンスかなというくらいの感じだったと思います。右ヒジを手術して2年が経って、リハビリも最終段階になる3年目ですから、そろそろちゃんとした形にならないといけないというところだったでしょう。だからこそ大事にいくというより、思い切っていくみたいな、そういう感じだったのかなと......」

二刀流のラストチャンスだと思っていた?

ーーえっと......ちょっと待って下さいね。ということは、今年が二刀流のラストチャンスだと感じていたんですか。

【次ページ】 この先も二刀流を続けるために…

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