甲子園の風BACK NUMBER

「相手の太もも、二の腕はパンパンだが…」“先発平均身長172.7cm、体重71.9kg”京都国際が「甲子園で勝てる」理由をプロ注ショートらに聞く

posted2024/08/22 17:03

 
「相手の太もも、二の腕はパンパンだが…」“先発平均身長172.7cm、体重71.9kg”京都国際が「甲子園で勝てる」理由をプロ注ショートらに聞く<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

決して大柄ではない京都国際ナイン。それでも夏の甲子園決勝進出を果たせたのはナゼ?

text by

間淳

間淳Jun Aida

PROFILE

photograph by

Hideki Sugiyama

 身長170センチ、体重97キロ。どっしりと構える姿は危険なオーラをまとう。打席には青森山田の4番・原田純希選手を迎えていた。ショートを守る京都国際の主将・藤本陽毅選手は「ヤマダのドカベン」の圧力を感じていた。

「体格や構え方から間違いなく打球が速い雰囲気が出ていました。捉えられたら、あっという間に野手の間を抜けるか、スタンドまでいってしまうんだろうなと」

太ももや二の腕がパンパンな青森山田と比べて…

 だが、警戒はしても恐れはしない。1点リードの9回。京都国際バッテリーは外角中心の配球で長打に注意を払いながら、ストライクゾーンで勝負する。鋭い打球が一塁や三塁のスタンドに飛び込むと、その打球速度に球場はざわめいた。

 2ストライク1ボールと追い込んでから粘られて、結果的に9球目で四球を許す。ただ、京都国際の西村一毅投手と奥井颯大捕手のバッテリーは攻める姿勢を十分に見せた。

 続く、181センチ84キロの吉川勇大選手にも真っ向勝負を挑んでショートゴロに打ち取る。グラブを前に出してバウンドを合わせた藤本が捕球して、セカンドへ送球。ダブルプレーで相手の流れを断ち切って、そのまま1点差で逃げ切った。177センチ66キロと細身の西村と169センチと小柄な奥井が喜びを分かち合った。

 青森山田と京都国際の準決勝は選手の体格差が際立った。ユニフォームの太ももや二の腕部分がパンパンになった青森山田と比べ、京都国際はユニフォームにゆとりのある選手が多い。

 スタメン野手で体重75キロ以上は1人だけなのに対し、青森山田は75キロを切るスタメンが3人しかいなかった。スタメン9人の平均身長は172.7センチ、平均体重は71.9キロと、数字の上からも決して大柄なチームではないことがわかる。

プロ注のショートが語る「相手を意識しすぎても…」

 パワーでは分がない。京都国際の選手たちは自分たちの武器が分かっている。同じ土俵で勝負するつもりはなかった。

 チームをまとめ、プロ注目のショートでもある藤本が語る。

【次ページ】 「青森山田さんが変わるきっかけをくれました」

1 2 3 NEXT
京都国際高校
青森山田高校
藤本陽毅
原田純希
沢田遥斗
西村一毅
奥井颯大

高校野球の前後の記事

ページトップ