「最初は日本人の選手と、どうやって関わったら良いのかなという思いが少しあったし、ちょっとした世話役みたいなことを頼まれてはいました。だけどフィジカルコーチとしてはチーム全体を見なきゃいけない中で、その日本人選手だけを特別扱いするわけにはいかないんですよね」

――日本人で固まっていると思われるのもイヤですしね。

「チーム全体として彼らも関わっていかなきゃいけないので、そういうバランス的なことは考えました。どうしても他の選手よりも彼ら2人と会話することが多いので、感情が入ってしまうと良くないなとも考えていました。実際、“感情が入って、ちゃんとした判断ができなくなることは気をつけた方がいい”と監督からも言われたことがあります」

――難しいところですよね。

「彼らは本当、人一倍頑張ってるのはわかるし、実際にその姿を見たり話をしてるので、彼らが試合に出て活躍してほしいっていう気持ちになってしまいがちです。でも、そういう気持ちとともに、他の選手にも平等でなきゃいけないと思うので、苦労までいかないけど気を配った部分ですよね」

――でも、実際に彼ら2人は他の人より頑張っていたのではと想像します。

「もちろん僕から見たらそうでも、別の人から見たらそうじゃないかもしれない。光毅も来たときはレギュラーじゃなくて、他の選手に代わって出るようになった。そのライバル関係ってどこのポジションにもあるので、彼らだけを特別にするのは良くないんですよね」

2人ともに変わらず成長していってほしい

――さて、新シーズンですね。五輪が終わり斉藤選手はスパルタを離れ、三戸選手はスパルタでの2シーズン目を迎えます。

「光毅に関しては、先ほど話したようにチャンピオンズリーグの決勝で得点を取るっていう目標を実現できるようなステップを歩んでいってほしいなと思いますし、変わらず応援していきたいです。

　三戸ちゃんに関してはまだスパルタで成長して活躍して、スパルタを助けるパフォーマンスをしてほしいなと。それが彼の次のステップに繋がることだと思います。まだ成長できるところがたくさんあると感じるので、今シーズンしっかり成長してほしいし、サポートさせてほしいなと思います」

＜第1回からつづく＞

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