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「泣かないで…」負傷離脱・清水梨紗と長谷川唯が“荷物整理のちハグ”、田中美南は「RISA 2」ユニを…“TVに映らない”五輪なでしこ舞台裏
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byNaoki Morita/AFLO
posted2024/08/13 06:01
清水梨紗と長谷川唯。10代の頃から世界で戦い続ける2人だからこその関係は、パリ五輪の舞台でも垣間見えた
JFAの公式YouTube「Team Cam」でもそのシーンが残っているが――清水との別れの際に何度もハグを繰り返し、感極まった表情を浮かべる清水から「泣かないでー、がんばれ!」との言葉を受け取っていた。
そんな長谷川は離脱前夜に清水の荷物整理を手伝うなど、一緒に過ごしていた。
だからこそ、感じることがあった。
「離脱することが決まってから、意識的にそう振る舞っているな、というのはすごくわかりました。みんなをどんよりさせることなく、『梨紗のために頑張ろう』と周りに思わせてくれる明るい雰囲気にしてくれました。強いなと思いましたし、さすがだな、と改めて感じましたね」
清水に代わって右サイドに入った守屋も奮闘した
長谷川だけでない。
清水離脱後の取材エリアでは、質問を受けた選手がみな口を揃えて清水を慮るコメントを残した。そしてプレーでもその想いを表現した。
たとえば、清水と同じ1996年生まれの守屋都弥である。
守屋はブラジル戦では左ウイングバックで先発出場すると、それ以降の2試合では右ウイングバックとして起用され、清水の留守を預かった。
「ナイジェリア戦では一発で抜かれてしまったり、アメリカ戦でも攻撃面のファーストタッチでパッと食いつかれてしまう部分があって、差というのは感じたところです」
こう反省の弁を口にしたものの、清水不在のサイドにおいて、守屋が果たした役割は大きかった。
ナイジェリア戦では高い位置を取って日本が主導権を握るキーパーソンとなり、アメリカ戦ではボールを相手に握られる中で辛抱強いディフェンスと、豊富な運動量を見せた。清水の負傷という不測の事態を受けてとはいえ、「何度もスプリントをして、前線へのクロスを上げるという自分の持ち味は出そうと決めていました。そこに挑戦はできたのかな……アシストにはなっていないので、これからの課題かなと思いますが」と、得たものは大きかった。
梨紗のために…言葉にしなくてもみんなそういう想いを
そんな守屋もまた、このように清水への思いを語っている。