「山田楓喜の精度の高いキックを、細谷が頭で捉えた。これも明らかな決定機だった」

――結局、スペインが1点をリードして前半が終わったわけですが、日本の前半の出来をどう評価しますか？

「先制されたとはいえ、日本も2度の決定機を作って渡り合った。互角に近い内容だった」

――前半40分のゴール取り消しが試合に与えた影響をどう考えますか？

「ハーフタイムに0−1で入るのと1−1で入るのとは大違い。スペイン選手たちは『助かった』と胸をなでおろしたはずだし、日本選手は落胆したはず。人間の心理として、当然だ」

非常に痛かった2点目、ゴール以外の場面でも

――後半、日本は反撃したが、なかなか決定機を作ることができない。28分、スペインは左CKをペナルティエリアの外へ蹴り、フェルミン・ロペスが胸でトラップしてから右足でミドルシュート。それほど厳しいコースではなかったが、小久保は触れませんでした。

「敵のセットプレーの際、日本はゾーンディフェンスを敷くけど、フェルミン・ロペスがいた場所は誰もケアしていなかった。また、小久保の反応が少し遅かった。この2点目が非常に痛かったね。あとこの場面、シュート以外のプレーでも注目した点がある」

フェルミン・ロペスの痛烈な2点目。チアゴ記者は“その直前のプレー”にも注目していた　©Getty Images

――どのプレーでしょうか。

「フェルミン・ロペスへのパスに察知した藤田がすぐにマークへ走った。ところが、スペインのFWアイマール・オロスが藤田の走路に入って邪魔をしたため、藤田はフェルミン・ロペスのシュートをブロックできなかった。さすがスペイン選手。非常に狡猾だった」

――さらに後半41分、スペインの右CK。ニアサイドからのボールをGK小久保が触れず。FW佐藤恵允が辛うじて跳ね返したが、CFアベル・ルイスに押し込まれました。

「本来ならCKからのキックは小久保が防ぐべきだった。ニアポストでスペインの選手が頭で触りかけたので、幻惑されてしまった」

――その後、日本は細谷のシュートが相手GKに弾かれ、右CKからCB高井幸大が頭で合わせ、バーを叩く逸機もあったものの、終わってみれば0−3。このスコアは、この両チームの力の差を表していると思いますか？

「いやいや、そんなことはない。結果的に大差がついたが、日本が大きく劣っていたわけではない。守備面では、組織として崩されたシーンは少なかった。最初の2失点はフェルミン・ロペスの個人能力に依る部分が大きいし、3失点目もセットプレーから。攻撃面では、少なくとも3度の決定機を作った」

OAも有力選手も未招集の中で良くやった

――この大会全体における日本のプレー内容をどう評価しますか？

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