そんな彼女が満を持して臨んだパリ五輪女子シングルス。

　3位決定戦ではその左腕に痛々しいテーピングがまかれていた。2日前の試合で痛めたという左手首は「1人でお風呂も入れない、ドライヤーも使えなかった」という状態。試合直前まで痛み止めの注射が打たれるなど、回復に向け、ありとあらゆる対策が施された。

テーピングを巻いて出場した早田ひな　©︎Kaoru Watanabe/JMPA

「まさか神様にこのタイミングで意地悪されるとは」

　それでも、韓国のシン・ユビンとの対戦では持ち味のフォアハンドも炸裂。

「大事なフォアハンドだけは残してくれたのかな」

　ラリー戦を死力で制し、4－2で勝利。

「自分を信じで最後までやりました」

　早田は親友の伊藤美誠に続く2大会連続となる銅メダルを獲得した。

話題を集めたシン・ユビンとの抱擁

　試合後、顔を覆って泣き崩れた早田に真っ先に駆け寄ったのは、熱い戦いを繰り広げた20歳のシン・ユビンだった。敗れた直後にもかかわらず、笑顔で抱きしめ祝福。

20歳シン・ユビンと言葉をかわす早田ひな　©︎Naoya Sanuki/JMPA

　韓国紙によると、「早田を長い間、見てきた。本当に一生懸命頑張って、真剣に試合をした。そんな部分を称えたかった」という。「私も、もっと心が強い選手になりたいという一心で（早田を）抱きしめた」と語っていた。

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