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「ブラジル人にとってもこの暑さは異常よ」“気温36度”暑すぎパリ五輪の大問題…ビーチバレー会場で選手に直撃「東京とどちらが暑かった?」

posted2024/08/03 11:00

 
「ブラジル人にとってもこの暑さは異常よ」“気温36度”暑すぎパリ五輪の大問題…ビーチバレー会場で選手に直撃「東京とどちらが暑かった?」<Number Web> photograph by KMSP via AFP

五輪開幕後の7月下旬、最高気温36度の猛暑に見舞われたパリ。エッフェル塔下のビーチバレー会場で、選手たちに話を聞いた

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齋藤裕

齋藤裕Yu Saito

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KMSP via AFP

 各競技で熱戦が続くパリ五輪。その一方で、現地は平均気温を大幅に上回る猛烈な暑さに見舞われ、熱中症の症状を訴える選手も出てきている。冷房のない地下鉄、観客席に容赦なく降りそそぐ直射日光、そして選手に聞いた東京との「暑さ比較」の答えは……。エッフェル塔下のビーチバレー会場を取材した記者が、知られざる“パリの猛暑事情”をレポートする。(全2回の1回目/「セーヌ川問題」編も読む)

「電車にエアコンがない…」暑すぎるパリの交通事情

 今、花の都が熱い。いや、暑い。オリンピック開催地・パリ。7月の平均最高気温は26度、最低気温は16度と猛暑と大雨の日本に比べて過ごしやすい、はずだった。7月30日の最高気温は手元の温度計で36度。東京都心は36.6度。もはや東京と変わらないレベルだ。パリにしては珍しく、7月末の3日間で30度以上を記録する真夏日が続いている。

 26日に行われた開会式前にフランス入りしてからというもの、最高気温は20度台後半を推移し、30度を超えるのは珍しかった。だが、猛暑はいきなりやってきた。

 日没は夜9時半と日が長いフランスで最も暑くなるのは、16~18時台。スケジュールを調べてみると、その時間にビーチバレーをエッフェル塔の下でやっているという。果たして選手は大丈夫なのか?

 まずエッフェル塔へ向かうべく、街を歩く。100mほど歩いただけで額から汗がダラダラと流れてくる。青息吐息で地下鉄の駅へと入る。改札外では、駅職員がおもむろにミネラルウォーターを無料で配りだしている。なぜだ。聞くと、パリでは暑くなると気まぐれに水を配ることがあるらしい。ありがたいことだ。水のペットボトルを持って、冷房のない駅構内を速歩きで進んでいく。ちょうど着いた電車にすぐ飛び乗る。

 しかし、肝心の車内にはクーラーがない。サウナのようだ。フランスは電車やバスは「エアコンなし」が通常運転で、エアコンがついていたらラッキーなのだ。ちなみに選手が乗るバスもエアコンなしの場合があるという。30分ほどの乗車時間、ボトルの水を飲み干してしまった。

 エッフェル塔の最寄り駅に着き、歩いて会場へと入る。エッフェル塔が見える広場にはミストシャワーが12台ほど並んでいる。会場外にはアイスクリーム屋が。学生らしき女性スタッフが忙しそうに商品を出し入れしている。この夏一番の暑さ。さぞかし売れたでしょう?

「ええそうね。一番だと思う。昨日も30度を超えて、4000個売れたのよ。でも今日はきっとそれ以上になると思うわ」

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