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「アメリカ戦、全力で勝ちに行きます!」男子バレー高橋藍(22歳)いよいよ調子が上がってきた? 3年前とは違う存在感、ブレないポジティブ思考
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2024/08/01 18:10
大会前は負傷の影響が懸念されていた高橋藍(22歳)。アルゼンチン戦では14得点を決める活躍で勝利に貢献した
ドイツに敗れた後の3日間は、改めて基本的なことができるようチームで共有した。翌日に行ったミーティングでは、あらためてチーム全員で戦っていくことを再確認。リベロの山本智大が振り返る。
「オリンピックという舞台で、ある程度、一人一人が割り切ってやるしかないところもある。ただ後がない状況ではあるので、全力を出し切って、結果は後からついてくる……というふうに切り替えてやっていました」
その山本自身はドイツ戦の反省から、練習ではとくにブロックフォローを意識したという。
「日本はレセプションもブロックディフェンスもとてもよく、強みとしてはブロックフォローから点数が取れること。そこで世界と差をつけていかないといけないので。練習の中から『ブロックフォロー、ブロックフォロー』と口を酸っぱくして言っていました」
高橋も「ドイツ戦でもっとクオリティを上げなければいけなかったプレーを、トレーニングの中で確認しながら詰めていった。オフもあったので選手それぞれがしっかりと気持ちを切り替えて次の戦いへと臨めていたと思うし、そういった意味ではいい雰囲気で過ごせていたんじゃないかと思う」と、勝ちしか許されないアルゼンチン戦へ万全の準備を整えた。
西田有志に次ぐチームの2位の14得点
迎えた31日の予選ラウンド第2戦、東京五輪で銅メダルを獲得しているアルゼンチンとの対戦では、コートに入ると、その表情はいつも以上に気合いが感じられた。
「必ずこの一戦をものにする」
「3ポイントをしっかりと取りきる」
石川祐希や高橋、山本らが好レシーブを見せると、ミドルブロッカーの小野寺太寺や山内晶大がスパイク。得点のたびに雄叫びをあげるなど、闘争心むき出しで戦った。
「とにかくまずはブレイク、サイドアウトなど取れるべき点数を取っていく」
1点ずつ丁寧に得点を重ねた。ドイツ戦では相手のミスに連鎖するようにミスを重ね、なかなかリズムを作ることができなかったがこの日は違った。
「相手がミスした時にも日本のリズムで戦っていくことが必要で、アルゼンチン戦ではそれに対応することができていた。日本の力があるところを証明できたと思います。2セット目、最初にリードされましたが、あそこから点差をひっくり返せたのは自信になったんじゃないかなと思う」
高橋は、第1セットだけでサービスエース5本を決めた西田有志の21得点に次ぐ、チーム2位の14得点を挙げ、勝利に貢献。前戦ではセッターの関田誠大との呼吸に乱れが生じたが、それも大幅に改善された。
「関田選手とは常にコミュニケーションを取りながらプレーしています。自分がネーションズリーグのファイナルを戦えなかったことによってブランクがあって、今日の試合のなかでも一つ一つ確認しながらプレーしていたし、コンビネーションの部分はさらにクオリティを上げたいと思っています」