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「アメリカ戦、全力で勝ちに行きます!」男子バレー高橋藍(22歳)いよいよ調子が上がってきた? 3年前とは違う存在感、ブレないポジティブ思考
posted2024/08/01 18:10
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Ryosuke Menju/JMPA
まさかの黒星スタートとなったドイツ戦のあと、ミックスゾーンにあらわれた高橋藍は猛省していた。しかし、そこまで落ち込む様子はない。早くも巻き返しに自信をのぞかせていた。
「負けは負けだし、自分たちはOQT(パリ五輪予選)でもこういう状況になっていますけど、ここからしっかりと力を発揮して勝っていくしかない。今日の敗戦を引きずるのではなく、しっかり気持ちを切り替えて次に臨むことが大切」
修正すべきところは修正し、チーム全員一丸となって勝ちにこだわる。その切り替えが、4日後のアルゼンチン戦にも生かされた。
ドイツ戦はやや低調「自分がサーブから崩された」
パリ五輪までの1~2カ月は、これまで順風満帆に成長曲線を描いてきた高橋にとって、あらためて自分と向き合う苦しい時間だったかもしれない。
ネーションズリーグ後半にはイタリアリーグで負った左足首の怪我の後遺症のため、登録から外れた。その後、7月20日のポーランド戦で約1カ月ぶりに復帰。目前に迫った大舞台を前に少なからず焦りもあったはずだが、3本のサービスエースを含め計20得点を挙げる活躍。本番に向けて調子が上がっていることを印象付けた。
ただ、五輪初戦のドイツ戦を見る限り、まだ完全にはコンディションが戻っていないようにも感じた。もちろん、どれをとっても高いレベルなのは間違いないが、オリンピック独特の雰囲気、初戦の緊張感からくる硬さも関係していたのか、ドイツ戦では定評のあるサーブレシーブに乱れが生じた。スパイクもブロックに捕まるシーンが多く見られた。
「1セット目は自分がサーブから崩されてしまった。そこからのスパイクが向こうのディフェンスのところに上げられて。チームがリズムを作れないところに影響をもたらしてしまった」
実際、決勝トーナメント進出となれば、相手のレベルもさらに上がる。短期決戦では、コンディションの良し悪しが勝利への重要な要素となるだけに、今後、よりコンディションを上げられるかどうかが気になるところだ。