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「カワムラは競り合うべきではなかった」男子バスケ“疑惑の笛”に辛口フランス記者の見解は? それでも日本を賞賛「とてつもないバスケIQだ」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2024/08/01 17:35
疑惑の判定が話題になるほど、フランス相手に大きなインパクトを残した日本代表。現地記者は八村塁と172cmの河村勇輝に注目した
日本対フランス戦は日本のファンの間だけにとどまらず、パリ五輪の男子バスケでは屈指の名勝負として語り継がれるだろう。それほどのゲームの中で最大の輝きを放ったのは紛れもなく河村だった。
29得点、7リバウンド、6アシストを挙げ、大事な第1、第4クォーターに10得点ずつ。どんなに厳しい状況でもあくなきアタックで日本を鼓舞し続けた。ボールを持つ時間があれだけ長かったにもかかわらず、ターンオーバーを2に留めたことも評価されて然るべきだ。
「カワムラは競り合うべきではなかった」
惜しむらくは第4クォーター残り10秒で起こったプレー。このドラマチックなゲームに訪れた2つめの「If」。河村への絶賛を繰り返したジバーン記者も、4点差の終盤に4Pプレーを献上したこのシーンだけはやはり肯定的には捉えていなかった。
「カワムラは1つだけミスを犯した。マシュー・ストラゼルのショットを競り合いにいくべきではなかった。確かにはっきりとしたファウルではなかったが、通常は聡明なプレーをするカワムラはそもそもあの位置に身を置くべきではなかった。その時点で、もう日本の勝ちは決定的で試合は終わったも同然だったのだから」
日本がほとんど手中にしていた勝利はその瞬間、そこでファウルがコールされた時点でするりと抜け落ちていった。オーバータイムではより層の厚いフランスとしのぎを削る体力と武器は残されておらず、日本はそこで力尽きた。