結果、90-94の惜敗。逃した魚は大きく、悲劇の結末として記憶されていくのかもしれない。ただ……改めて振り返っても多くのアップ＆ダウンに満ちたゲームが、最高級にスリリングなエンターテイメントだったことに変わりはない。同時に様々なハイライトを生み出し、世界的にはノーマークだった日本バスケの魅力を多くの人にアピールする一戦だったことは確かなのだろう。

ビクター・ウェンバンヤマ（224cm）と握手する河村勇輝（172cm）　©︎Kaoru Watanabe/JMPA

「日本のプレーは本当に素晴らしかった。魅力的なチームだった」

　目の肥えたフランスのベテラン記者はそう締めくくったが、日本の戦いはまだ終わったわけではない。次は準々決勝進出をかけて行われる2日のブラジル戦。ここでも好内容で勝てば、フランス戦の名勝負がさらに大きな意味を持ってくる。そしてその先に、真の意味での世界の扉が見えてくるはずである。