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大谷翔平が消えた“エンゼルスの今”…元同僚のビックリ発言「チームのみんな言っている」球場で見た「残る日本企業の広告」「大谷のユニフォーム」
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2024/07/31 11:00
大谷翔平が去ったエンゼルスの今…写真は元同僚のマイク・トラウト
長年のチームの顔であるマイク・トラウト外野手はここ数年ケガがちだが、今季も左膝の手術のため4月30日から長期離脱し、筆者が訪ねた7月下旬になってもまだ復帰していなかったのも相変わらずだった。同じく毎年のようにケガで長期離脱しているアンソニー・レンドン内野手も4月に左太ももを痛めて長期離脱し、7月8日に戻ってきているが、復帰後は成績が振るわないまま。トラウトは今季年俸が約3700万ドル、レンドンは約3800万ドルとチームの高給取りトップ2が一番目立たない存在になっている。
「明るくてノリいい」エンゼルスの風景
大谷がいた頃のエンゼルスは、毎年のようにポストシーズンを目指して補強をするが夏には失速しトレード期限前に選手を放出するということが繰り返された。それは今季も同じだった。ア・リーグ西地区4位に低迷し、7月27日には、2023年からチームの守護神として活躍したカルロス・エステベス投手がフィリーズへトレードされることが決まった。
チームを去る前にクラブハウスの前で地元メディアに囲まれたエステベスは、サバサバとした表情で「優勝のチャンスがあるチームに行かせてもらって感謝している」と話したが、エンゼルスには愛着があるようで「ロン・ワシントン監督やペリー・ミナシアンGMとも話したけど、これが別れではなく、また会おうなという感じだった」と、今季終了後にFAとなったときにまたエンゼルスと契約する可能性があることを口にしていた。いつでも戻れる雰囲気が、エンゼルスにはあるのだろう。大谷がいた時代から「ドラゴンボール」の大ファンで知られていたエステベスはこの日もドラゴンボールのTシャツを着て、最後に集まった記者たち1人1人と握手をして笑顔で去っていった。
チームは完全に若手が中心となり、明るくてノリの良い雰囲気があった。大谷がいた時代にはまだ新人の初々しさがあったローガン・オハッピー捕手は、クラブハウス内で他の選手たちにちょっかいを出しては言葉をかけ、3年目にしてチームの中心選手としての貫禄が備わっているように見えた。
ロッカーで見つけた“大谷ユニ”
エステベスが去ったブルペンで大きな期待が寄せられているメジャー2年目23歳のベン・ジョイス投手に話を聞いてみた。
「ショウヘイがいなくなった今季、やはりチームの雰囲気は変わったよ。彼はメジャーでも最高の選手の1人だ。彼と同じチームでプレーしているだけで、クールだった。でも今のチーム、監督コーチ陣は若手を伸ばそうと努力してくれているし、楽しくやりがいのあるチームだよ」
ふと見ると、ジョイスのロッカーに大谷のエンゼルス時代のユニホームが置いてあった。