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「まさか全球直球とは…」29年前、野茂英雄がオールスターで投げた“25球の衝撃”「打てるもんじゃない」なぜ6人の対戦打者は驚いたか?

posted2024/07/17 06:00

 
「まさか全球直球とは…」29年前、野茂英雄がオールスターで投げた“25球の衝撃”「打てるもんじゃない」なぜ6人の対戦打者は驚いたか?<Number Web> photograph by Getty Images

1995年、初出場のオールスターで投球する野茂英雄

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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Getty Images

 現地時間7月16日。94回目のオールスターゲームがテキサス・レンジャーズの本拠地グローブ・ライフ・フィールドで行われる。既にナ・リーグの先発投手はパイレーツの新人剛腕ポール・スキンズが務めることが明らかにされている。

 昨年のドラフト1巡目全体1位指名のエリート右腕は今季11試合の先発で6勝0敗、防御率1.90の好成績を残し、球宴先発投手の栄誉を与えられた。最大の武器である直球は常時100マイル(約161キロ)を越え、奪三振率は12.1をマーク。6月5日のドジャース戦ではその直球で大谷翔平に真っ向勝負を挑んだことは記憶に新しい。

 第1打席は全球100マイル越えの直球を投げ込み、最後は100.8マイル(約162.2キロ)の直球で3球三振とした。3回の第2打席は2死一塁からチェンジアップ2球を混ぜたものの、フルカウントから100.1マイル(約161.1キロ)の直球をセンターバックスクリーンへ本塁打された。

スキンズに野茂英雄の姿が重なった

 昨今はメジャーでもチームの勝利を優先するがあまり、個人対決の醍醐味が失われて久しいが、スキンズは大谷に自慢の直球を投げ、勝負を楽しんだ。そして、本塁打を打たれた直後にはマウンド上で笑顔まで見せた。

「やられたという感じだね。前の打席では討ち取ったし、あの球も良かったと思う。素晴らしいプレーヤーだから、ああいうことが起こるんだ」

 こんなスキンズに野茂英雄の姿が重なった。新人投手の球宴先発も95年の野茂以来。球宴前に残した成績もほぼ同様。(野茂は13試合、6勝1敗、防御率1.99、奪三率11.9)球宴の場も新旧の違いはあれどレンジャーズの本拠地であることも同じだ。スキンズはア・リーグの打者相手に全球直球という大胆勝負を挑むのだろうか。そんな夢物語を思い巡らせていたとき、パソコンの中にあった29年前の資料が目に止まった。

 95年オールスターで取材した野茂英雄と対戦打者6人への単独インタビュー。野茂が見せたこだわりの直球勝負を当事者たちの言葉をもとに再現してみたい。

【次ページ】 当日、野茂は子供のようにはしゃいでいた

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