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「この質問を待っていて…」今永昇太が“思わずニヤッ”…じつは大谷翔平より長く報道陣に囲まれていた、オールスター初出場の「舞台ウラ」

posted2024/07/17 17:03

 
「この質問を待っていて…」今永昇太が“思わずニヤッ”…じつは大谷翔平より長く報道陣に囲まれていた、オールスター初出場の「舞台ウラ」<Number Web> photograph by Getty Images

初出場のオールスターで多くの報道陣に囲まれたカブスの今永昇太

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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Getty Images

 カブス今永昇太の初めてのメジャーのオールスターは、米メディアから引っ張りだこ状態の中、慌ただしく過ぎていった。

 オールスター戦前日、7月15日の昼下がり、テキサス州アーリントンのグローブライフフィールドに集まった選手たちが最初の行事、メディアの囲み取材に参加した。グラウンドに各選手のブースが設置され、一斉に囲み取材がスタート。今永のブースには、黒山の人だかりができていた。出遅れてその山の後ろの方に追いやられると、もはや今永の声がうっすらとしか聞こえない。何とか声を拾おうと、腕を最大限に伸ばし苦しい体勢のまま録音アプリを起動させたスマホを突き出していると、そのうち重みで腕が震え、汗が出てくるが、耐え続けた。

 出だしは米メディアから矢継ぎ早に質問が投げられた。

 その内容は野球やチーム、シーズンのことももちろんあったが、ユニークな質問も目白押しだった。

 テキサスでの前回のオールスターはヒデオ・ノモがルーキーとして出場した。ノモに影響を受けたりアドバイスをもらったりしたことは?

 1人の米国人リポーターがそう聞いた。

「大谷君にカメラの数で勝てるように」

「野茂さんとお会いしたことはないんですけど、昔メジャーに挑戦した方々の歴史の上を、僕が今こうやって歩いているので、そういう先輩たちに本当に感謝の気持ちと尊敬の気持ちを持つことを忘れてはいけないと思うので、過去の先輩方に本当に感謝しています」

 1995年にトルネード旋風を巻き起こした野茂英雄がルーキーのその年にオールスターでナ・リーグの先発を務めたのは、やはりテキサス州アーリントンの球場だった。投げる哲学者の口からは滑らかに言葉が出てきた。

 また別のリポーターは、いつもジョークを言い楽しそうにしているが、シカゴに来て良かったかと尋ねた。

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