テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平30歳誕生日も「彼は盛大なお祝いを好まない」骨折ベッツ守備練習に「うわっ!」カーショーのカーブ…ドジャースの“中継に映らない凄み”
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byHarry How/Getty Images
posted2024/07/19 17:02
現在ベッツは離脱中だが、大谷翔平とともにドジャースが誇るスーパースターのプロ意識は非常にハイレベルだ
ラックスの言葉は聞こえなかったが、さらに近くにいた米メディアによれば「ハッピーバースデー、アイラブユー」と言っていたという。
デーブ・ロバーツ監督も大谷に粋なプレゼントをしていた。
練習後に私を含めた日本メディアが直撃すると、大谷に試合前にワインを1本プレゼントしたことを笑顔で明かした。自身の誕生日には大谷夫妻からウイスキーをプレゼントされて喜んだ指揮官は「“ハッピーバースデー”と伝えたが、彼は盛大なお祝いを好まないんだ」とも言った。
大谷は前日からメジャー自己ワーストの6打席連続三振となる3打席連続三振など、5打数無安打。5月7、8日以来約2カ月ぶりの2試合連続無安打で、今季ワーストの12打席無安打となった。誕生日当日は盛大なお祝いとはいかず、奇しくも、指揮官の言葉が当たってしまった。
30歳初アーチ…ロバーツ監督が語った「天賦の才能」
《7月6日 VSブルワーズ(ドジャースタジアム) ◯5−3》
我慢した。大谷は右足を少し内側にひねり、ためた力を一気に解放した。代打バルガスのソロで1点を勝ち越し、迎えた8回1死。左腕ハドソンの内角低めのカットボールを豪快になぎ払った。メジャー通算200本塁打に王手をかける28号ソロ。これがメジャー通算500得点目にもなった。
5日に30歳の誕生日を迎え、記念すべき初アーチ。ロバーツ監督は「ストライクゾーンを単純化するだけで、天賦の才能(Natural Ability)を発揮できる。こんな選手は近年見たことない」と称賛した。
この4打席目まで1試合で四球、死球、三塁打、盗塁をマークするのは、球団では53年のジャッキー・ロビンソン以来71年ぶりだったが、複数四球と5打席目の本塁打でロビンソンも上回りメジャー史上初の快挙となった。
試合前からロバーツ監督は「翔平は低めの球を追いかけすぎていると分かっている。彼は2、3試合そういう試合を経験してはリセットし、本来の状態に戻ることを繰り返してきた」と復調を予告していた。本拠地の歴史や伝統をモチーフとした「シティー・コネクト・ジャージー」第2弾の着用日は2戦2勝。前回着用した6月22日に大谷が「勝っていい縁起を担げたと思う。次も勝ちたい」と語っていた通りになった。
間近で見たカーショーのカーブに「うわっ!」
《7月7日 VSブルワーズ(ドジャースタジアム)●2−9》
試合開始の約5時間前のドジャースタジアム。左肩手術から後半戦の復帰を目指すカーショーが実戦形式の打撃練習に登板していた。