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東京五輪のPR映像、覚えてる?…“スクランブル交差点で開脚ジャンプ”の体操女子高生・土橋ココ(24歳)の今「渋谷に行くのも初めてだったんです」
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph by(L)JIJI PRESS、(R)Takashi Shimizu
posted2024/07/21 06:00
リオ五輪閉会式での東京五輪PR映像で一躍話題となった土橋ココさん。24歳になったいま振り返る、当時の喧騒とは?
彼女はあの日、自身が出演した映像を、家族らと共に実家のテレビで見たという。
「生中継は午前中だったので、学校から帰ってきて夜にビデオで見ました。安倍マリオもそうやし、キティちゃんとかもいて、お父さんも『すごいなあ』って。冒頭に私が出てくるっていうのは事前に聞いていたんですけど、実際に見たらほんまに最初で! びっくりしましたね」
そもそも、なぜ彼女が映像の出演者に選ばれたのか。もちろん、ただの女子高生ではなかったからだ。
4歳で体操を始め、高1でインターハイを制覇
4歳で体操を始めた土橋さんは、天性のバネと努力で、瞬く間に頭角を現した。地元名古屋が拠点の体操クラブ『レジックスポーツ』で技を磨き、全国中学校体育大会(全中)を制するなど、ジュニア時代から華々しい活躍をしてきた。
名古屋経大市邨高に進学すると、高校1年生で早くも2015年の全国高校総体で個人総合優勝を果たす。シニアの大会でも活躍を見せ、次世代を担うジュニアアスリートの一人として、この頃すでに高い評価を受けていた。
実際に東京オリンピックの組織委員会から声がかかったのは、高2の夏頃だったと記憶している。
「私たちの代って、東京を20歳くらいで迎える世代で体操選手の年齢的にはドンピシャのタイミングだったんです。それで『この子が将来有望じゃないか』ってことで、レジックスポーツの方に話があったと。でもそんなに詳しくは聞いてなくて、まさかあれほど大がかりな撮影とは思ってもいなかったです」
渋谷で撮影に臨んだのは7月下旬のこと。閉会式までは残り1カ月を切っていた。制作サイドはやや焦っていたのではないかと想像するが、本人はいたってマイペースだった。