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「決勝に行くぞ」石川祐希はなぜ“ギアを上げた”? 心配になるほど吠えた主将が植え付けたかった頂点のイメージ〈男子バレー五輪メダルの序章〉 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2024/07/02 11:09

「決勝に行くぞ」石川祐希はなぜ“ギアを上げた”? 心配になるほど吠えた主将が植え付けたかった頂点のイメージ〈男子バレー五輪メダルの序章〉<Number Web> photograph by Volleyball World

VNLではベストアウトサイドヒッターに選出された石川祐希(28歳)。「ユーキイシカワ」がSNSでトレンド入りした

 試合後のコートで石川は、選手、スタッフ1人1人と抱き合い、ねぎらいあった。怪我のためリザーブに回っていた高橋藍を含めたこの15人で戦うのは、この試合が最後。

 パリ五輪の内定選手12人から外れたリベロの小川智大(ジェイテクトSTINGS)は、ファイナルラウンドでの出場機会はなかったが、ベンチに下がった選手を真っ先に笑顔で迎えたり、同じポジションの山本智大(大阪ブルテオン)にアドバイスを送り、タイム明けには手をたたいて鼓舞しながらメンバーを送り出した。

 VNL前、石川はこうも語っていた。

「練習の質や、チームの仲のよさ、意識の高さ、それにスタッフが自分を犠牲にしてチームに与えてくれている影響だったり、そういうものを含めて“メダルを獲るべき”チームだというふうに僕は思っています。メダル獲得は何がなんでも絶対に、という思いでみんな集まっているので、本当にあとは結果を出すだけ。ここまで作ってきた自分たちのため、スタッフのため、この日本バレーのために戦いたいなと思います」

 チームへの愛と五輪への覚悟があふれ出ていた。

 そして今はそこに“パリに届かなかったメンバーのためにも”という思いが、新たに加わっているに違いない。

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