ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「ケガだけが心配」の声も…DeNAオースティンが全力プレーをやめない深いワケ 本人が明かす「監督に胸ぐらを掴まれた日」「甲子園が大好きなんだ」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2024/07/01 11:03
日々、ユニフォームを泥だらけにしながらプレーするオースティン。ジャッジとも切磋琢磨したバリバリのメジャーリーガーはなぜ全力プレーを続けるのか
「正直に言えば、自分のバッティングに関してまだしっくりとは来ていないんだ。例えばカードを通して、あるいは週を通して調子がよかったことがなくて、そこを改善、継続するために田代(富雄)コーチとあれこれ意見交換している段階だよ。今はとにかく打球スピードを重視して、しっかりコンタクトして打席を終えることを大事にしているんだ」
NPBのピッチャーはお世辞抜きに好投手ばかり
NPBも5年目、日本のピッチャーに対して理解を深めた点などはあるのだろうか。
「理解したとは言い難いけど、僕が日本に来た2020年と比べてもピッチャーの平均球速はかなり上がっていると感じている。ただ、この5年の経験を通じて、打席の中での対応は良くなっているかもしれないね。まあNPBのピッチャーはお世辞抜きに好投手ばかりなので、ホームランを打ったら運が良かったぐらいの気持ちでいるよ」
そう言うとオースティンは苦笑したが、「けどオレは負けないよ」という自信が滲み出ているような気がした。
心配もされる「全力プレー」の原点とは?
試合にさえ出られれば、誰よりも頼りがいのあるナイスガイ。そう、すべてはコンディションに尽きる。現在はアップ時にトレーナーと一緒に新しいエクササイズに取り組むなど体の状態には細心の注意を払っているが、当然メンタルとフィジカルが一致しなければ本来の力を発揮することができない。
ただ思うのは、故障してしまうかもしれないという心配も多分にある一方、オースティンが見せる“全力プレー”は彼の持ち味であり、これ以上ない魅力でもある。まさに諸刃の剣と言うべきか。
果たして、オースティンにとって“全力プレー”の原点とはどこなのだろう。そう問うとオースティンはしばし考えを巡らせ、口を開いた。