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甲子園の風BACK NUMBER
大谷翔平のスライダーから「音が聞こえたんです。シュルルルって…」甲子園で花巻東を撃破も…大阪桐蔭“黄金世代”の副将が語る「衝撃の記憶」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by(L)JIJI PRESS、(R)KYODO
posted2024/06/21 17:11
大阪桐蔭高校時代は副将として大谷翔平擁する花巻東を破り、春夏連覇も達成した白水健太。いまでも記憶に残る衝撃の「音」の正体は?
その音は、明らかに「シュルルル」という音だったと白水は振り返る。
「キレのいい真っすぐを投げたらそういう音がするのは分かるんです。でも、大谷のスライダーも唸っていました。みんな信じてくれないんですけど、これは絶対に聞こえました。自信を持って言えます」
もちろん、そんな投手とは前にも後にも対戦していない。
30歳を迎える大阪桐蔭「黄金世代」の副将…現在は?
ノックバットを手に、大きな声を張り上げる。時には笑顔で、状況によっては険しい表情だ。来月いよいよ30歳を迎えるが、まだまだ大学生のようなあどけなさが白水には残る。
この春、白水が監督を務める福井工大福井高は県大会で5年ぶりに優勝を飾った。決勝で敦賀気比を2-1で破り、サヨナラ勝ち。薄氷を踏む勝利ではあったが、夏に弾みをつける結果だった。
だが、白水は既にずっと先を見つめている。
「もちろん優勝したことは嬉しかったですけれど、春に勝ったからどうという意識はあまりないですね。夏に勝たないと。今までコロナの時期も含めて勝たせてあげたいと思っても負けた学年もありました。監督になった頃だったその時と同じように、今年の夏も勝たせてあげたいという気持ちは強いです」
センバツの準々決勝4試合を観戦したことは日本一を目指すチームを見ることが最大の目的だったが、もっと身近なところを選手たちを気づかせる狙いもあった。
「秋に明治神宮大会で星稜が優勝して、北信越の力が秋の時点では一番ということを証明してくれました。ただ、その星稜に北信越大会の決勝で0-1で負けた敦賀気比は、秋の日本一のチームと五分の試合をした。夏に県で勝つためには、自分たちは日本一になるくらいの気持ちで戦わないと気比には勝てないって選手に言っています」