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甲子園の風BACK NUMBER
大谷翔平のスライダーから「音が聞こえたんです。シュルルルって…」甲子園で花巻東を撃破も…大阪桐蔭“黄金世代”の副将が語る「衝撃の記憶」
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by(L)JIJI PRESS、(R)KYODO
posted2024/06/21 17:11
大阪桐蔭高校時代は副将として大谷翔平擁する花巻東を破り、春夏連覇も達成した白水健太。いまでも記憶に残る衝撃の「音」の正体は?
3打席目のサードライナーも衝撃的だったという。
「あれは(三塁手の)笠松が捕らなかったらレフトフェンス直撃でしたよ。“カン!”と打球音が鳴ったと同時に、笠松がもう飛んで(捕球して)いましたから。あの打球の勢いはグローブが破れるほどの衝撃だったんじゃないですかね。後で笠松に『どうやった?』ってライナーのことを聞いたら、(目を大きくした表情で)『ヤバいです』って言っていました。試合後、あの打球が捕れていなかったら反撃されていたんじゃないかって、みんなで言い合っていましたね」
投手・大谷は1打席目から細やかに振り返られるほど、全て記憶に刻まれている。
「2打席目、自分はセンターフライだったんですけれど、自分ではしっかり捉えたつもりでした。でも打球が伸びなくてフライになりました。
後々、全員でその試合のビデオを見て気づいたのは、みんなストライクと思って思い切り振った球がほとんど高めのボール球だったんです。それくらいボールが伸びていたっていうことですよね。みんなで『どこ(のボール)振ってんねん』って突っ込むんですけれど、みんな“ココ”って真ん中のコースを指すんです。『来た』と思って振っても、結果的にボール球でした」
大谷のスライダーから「音」がした?
ただ、薄く笑みを浮かべながら白水はこんなエピソードも明かす。
「これは誰に話しても『嘘やろ』って言われるんですけど……」
大谷と対戦して、忘れられない“音”があるという。
「自分が最初の打席で三振したのはスライダーだったんですけど、そのスライダー、音が鳴っていたんですよ。回転の時?の音っていうんですかね」