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「琴奈さんを嫌いって人に会ったことない」女子バレー林琴奈24歳の不思議な魅力とは? 高校時代の恩師「そんな選手がおってもええな、と諦めた」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byVolleyball World
posted2024/06/17 11:03
キャプテン古賀紗理那(左)と笑顔で写真に収まる林琴奈。攻守の貢献度が高く、眞鍋ジャパンのキーパーソンの一人
ネーションズリーグはまだ続く。前に進むために、本当は見たくなかったカナダ戦の映像も見返した。
「相手がハイボールになった時の自分のブロックの位置どりの部分で、結構やられていることが多かった。あと、トランジションからでもスパイクの決定がしっかりできるように、毎回トスを呼んでいくことを意識しようと思いました」
第5セットのラストシーンも目に焼き付けた上で、15日のセルビア戦に臨み、活かせたと語った。
「(カナダ戦は)最後ああいうかたちでやられてしまったんですけど、あれがあったから、今日は、エンドラインと自分(の構える位置)の距離を、一回一回確認するようにしました。絶対同じことを繰り返さないように。
あの日はすごく、本当に悔しかったんですけど、次に向けてどうしていこうかと頭の中で整理して、そこは切り替えられていました。あの時はあまり足も動いていなかったので、試合後半もしっかり足を動かせるように、今日はタイムの時に(栄養補給の)ゼリーを飲んだり。そういうことも今日心がけてやってみました」
セルビア戦ではサーブレシーブが終始安定しており、ゆったりとした間のあるボールがセッター岩崎こよみ(埼玉上尾メディックス)のもとへ供給された。
黙々と仕事をこなし、ガッツポーズも小さめ
もっと主役になってもいいのに。
そう感じてしまう選手だ。林がいるとコートの中がスムーズに回る。サーブレシーブもディグも一級品の守備の要であり、攻撃でも、身長173cmとスパイカーとしては小柄ながら、ブロックの間を高速で抜いたり、吸い込ませたり、思わず「うまい」と唸ってしまうほど巧みに得点を奪う。間違いなく今の日本代表に欠かせないキーマンだ。
だがどちらかというとスポットライトを浴びることは少なく、本人もあまり前に出たがらない。
得点を決めてもガッツポーズはグッと拳を握る控えめなもの。むしろ他の選手が得点した時の方が感情豊かに喜ぶ。
激しいガッツポーズで盛り上げたり、声を張り上げて周りを鼓舞するというタイプではなく、黙々と自分の仕事をこなし、着実にチームのリズムを作る。
「そんな選手がおってもええな、と諦めたんですよ(笑)」と高校時代の恩師である金蘭会高校の池条義則監督が語っていた。