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元横綱稀勢の里 二所ノ関親方が徹底解説
第19回:千代大海「タブー視された“つま先立ち”」
posted2024/06/11 09:00
text by
二所ノ関寛Hiroshi Nishonoseki
photograph by
Takayuki Ino(Illustariton)
今回は、元大関・千代大海の九重親方との取組を振り返ります。
私は現役時代、千代大海関との取組では本当に苦労しました。2005年の十一月場所で初対戦して以降、なんと10連敗を喫してしまったのです。
千代大海関は私より10歳年上で、初顔合わせの時はすでに大関でした。私が立ち合いで気持ちよく前に出ると、はたかれる。逆にはたきを警戒していると、今度は一気に体を寄せられて持っていかれます。その瞬時の判断は非常にクレバーで、体の動きは感性の鋭さを感じさせました。はたかれる時は、いきなりつっかえ棒がなくなる感じなんです。