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初登板から「18試合連続無失点」の衝撃…オリックス“ドラ6ルーキー”古田島成龍(24歳)とは何者か? 大躍進のウラに「先輩妻」の支えあり
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byJIJI PRESS
posted2024/06/07 17:00
初登板から連続無失点を継続するオリックスのドラフト6位ルーキー・古田島成龍。活躍のウラには家族の支えがあった
そうなると家族の何よりの願いは、自身のドラフト指名となった。
当日は妻を含めた2年前と同じ面々で指名を待った。2年前と同じく、部屋の隅に忍ばせてあった花束と手紙にも気が付いた。
指名の可能性を示す調査書は5球団から届いていたが、会議が進んでいくと大学時代の苦い記憶が徐々に蘇った。獲得に熱心と感じていた球団は、大学・社会人の投手を次々に指名していく。不安は増すばかり。そんな時だった。
オリから6位指名「ガッツポーズして抱き合った」
「第6巡選択希望選手 オリックス 古田島成龍 投手 日本通運」
ふいに届いた吉報に、全員が声をあげ、ガッツポーズをして抱き合った。「指名があったら、すぐに合宿所に向かうように」と言われていたこともあり、すぐさま部屋を飛び出して自転車で数分の合宿所へ向かった。あまりに急いで飛び出したので「いくらなんでも、そんなに早く出ていかなくてもいいのに」と聡美さんは怒ったが、帰宅して再び喜びを分かち合い、花束を受け取り、今度は喜びの涙を流した。
普段は「言いたいことを言っています」と冗談や憎まれ口も飛ばしているが、ドラフト指名後の取材では、悲しみも喜びも共有してきた妻に感謝の言葉を惜しまなかった。
「料理もまったくできなかったのに、たくさん勉強して、栄養を考えた食事を出してくれました。千葉で働いていた妻は(日本通運のグラウンドがある)埼玉で一緒に暮らすために退職して、子供もできたので生活に余裕はありませんでした。でも、僕は本気でプロを目指し、妻は本気でサポートしてくれました」
4月30日には第一子となる長女が誕生。賑やかな家族がまた1人増えた。緊張感のかかる場面での登板が続くが、古田島は家族のため、チームの勝利のため、果敢に腕を振り続けていく。