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なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
“生意気だったユイ”が求める理想の集団とは? なでしこ長谷川唯が明かしたブラジル戦号泣の真相「もう一回、パリで同じこと起きちゃうよ」
posted2024/05/31 11:02
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
JFA/AFLO
1997年生まれの長谷川唯は、2009年に中学入学と同時に日テレ・ベレーザの下部組織である日テレ・メニーナに入団。自宅のあった埼玉県戸田市から東京都稲城市の練習場まで毎日通っていた。
当時、身長は135センチに届かず、体重も28キロほどだったが、先輩たちとの練習で倒されないよう工夫する中で、ポジショニングやボールスキルを身につけていった。4年後の2013年には飛び級でなでしこリーグの試合に出場。リーグ3連覇やベストイレブン受賞などを経て、2021年1月にセリエAのACミランに移籍した。英国スーパーリーグのウェストハムを経て、2022/23シーズンからマンチェスター・シティでプレーする。
日本代表には20歳だった2017年から選出されており、すでにW杯2回、五輪1回を経験している。
そんな経験豊富な長谷川の意外な姿を見たのが、4月にアメリカで行われたSheBelieves Cupでのワンシーンだった。
ブラジル戦で流した涙の理由
パリ五輪への試金石となる同大会だったが、宿敵アメリカに1−2、ブラジルには1−1の末にPK戦で敗れ、まさかの連敗。特にブラジル戦のPK戦は、長谷川だけでなく蹴った日本人3選手が外すという、珍しい展開となった。
試合後、ピッチに座り込んで涙する長谷川の姿があった。この大会は公式戦ではなく、課題を炙り出すことができればいい。だからこそ、悔しさを隠さなかった長谷川の姿に少し驚かされた。
「あの試合、PKはもちろん蹴った人たちにも責任はあって、自分自身は決めなきゃいけなかったのもありますけど、それより試合の中で勝てなかったので。もしこれで勝てなかったら、この試合勝てなかったらどこにも勝てないなってすごい感じて……絶対に負ける試合でもなかったですし、むしろ絶対勝たなきゃいけないような内容でもあった。本当にフラストレーションがたまる試合ではありましたね」
さらに涙の理由を続ける。