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ボクシングPRESSBACK NUMBER
ネリの首がロープに…なぜ井上尚弥“戦慄のTKO”は生まれたか? “怪物と最も拳を交えた男”黒田雅之が語る「尚弥選手のパンチは異常に重い」
text by
森合正範Masanori Moriai
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2024/05/10 17:04
ネリを3度ダウンさせた井上尚弥の拳。黒田雅之は、井上ならではの“重さ”に秘密があるという
「あくまで、一ファンとしての思いですが…」
試合後、サム・グッドマンがリングに上がり、次戦は決定的。年内はスーパーバンタム級に留まり、防衛を重ねることを明言している。
――今後、井上選手に期待することはありますか。
「あくまで、一ファンとしての思いですが、上の階級で、パンチをもらわないことに徹したら……を見てみたいんです」
――フェザー級に上げてということですね。
「先ほどの話ですが、1ラウンドにダウンしてから、ほとんどパンチをもらっていない。相手が前に出てきて、尚弥選手が引いて闘いながら的確にパンチを当てていた。相手の体が大きくなるフェザー級の選手をいなしながら、ああいうボクシングをするのを見てみたいんです」
フェザー級は「かえってやりやすいんじゃないか」
――スパーリングを始めた頃、黒田さんの体の方が大きかったですよね。実際、どうでしたか。
「当時は僕の方が大きかったので、尚弥選手がいなして、的確に強いパンチをバンバンと当ててくる。彼は追うのもいなすのも、もちろん両方できるんですけど、アマチュアからプロの初期はテンポも速かったし、すごく動いていた。慣れ親しんでいるのはそっちなんじゃないかなとも思うんです」
――そういう試合が見てみたい、と。
「仮に階級を上げたら、相手はフレームを生かして前に出てくると思う。それって、尚弥選手からしたら、かえってやりやすいんじゃないかな。あのパンチならフェザー級でも変わらずKOしていくと思います」《ネリに奪われた“ダウンの真相”などを聞いたインタビュー前編も公開中です》