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テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
大谷翔平「面で捉えて」完全覚醒のクリケットバットは“Amazonでポチリ”…番記者が知る猛打ドジャースのコーチ秘伝「おもちゃ箱」とは
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byHarry How/Getty Images
posted2024/05/08 06:02
ホームラン量産体制に入った大谷翔平。“クリケット用バット”など猛打ドジャースを支える「おもちゃ箱」とは
しかし、同じくクリケット用のバットを練習に取り入れ始めた外野手アウトマンによると「重さは通常のバットと変わらない」。通常の野球ボールを前方から投げてもらうティー打撃で主に使用し、アウトマンは「手首を返してしまっては振ることができない。自分の打撃フォームの修正に役立つ」と説明した。
コーチいわく「今は、より長くゾーンにとどまり…」
日本時間5月7日の試合終了時点で打率.370、11本塁打、27打点、強打者の指標であるOPSは1.139と好調の大谷だが、開幕から8試合連続、40打席連続ノーアーチと苦しんだ時期があった。
「早く(本塁打を)打ちたいという気持ちで、どんどんいいアットバット(打撃)から懸け離れている状態だった」
開幕直後に専属通訳だった水原一平氏の違法賭博問題が発覚。その後は鼻水やせきといった体調不良もあった。
その後、調子が上向き、バン・スコヨック打撃コーチは「シーズン最初の数週間、バットがヒッティングゾーンに入って、すぐに出てしまっていた。しかし今は、より長くゾーンにとどまり、より多くの球をカバーできている」と好調の要因を分析した。
もう1人のアーロン・ベーツ打撃コーチは、試合前は主に屋外フリー打撃を行う選手を担当している。タブレット端末で撮影した映像を見ながらよく選手と打撃論を交わしている姿が目立つ。
「クリケット用のバットは創造的に、選手のルーティンを多様化する目的で使っている」と語るベーツ打撃コーチは「実はMLBの他球団の打撃コーチとも話し合い、打者を手助けできる新しい道具を見つけようとしている」と続けた。
オオタニは「危険な打者」だよ
チームの垣根を越え、必死になってより良い打撃を探る姿は、大谷もコーチも同じだ。ベーツ打撃コーチは今後の大谷の更なる活躍を予想している1人でもある。