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サッカー五輪代表OA枠「三笘薫、中村敬斗と…前線の衝撃だ」トルシエが推す“意外な3人”「15歳時に初めて見た」藤田譲瑠チマとの縁も明かす
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byJIJI PRESS
posted2024/05/07 11:13
トルシエがパリ五輪メンバーとして推す三笘薫と久保建英は東京五輪でもプレーした
「その影響はあったかもしれない。ウズベキスタンも日本も素晴らしかったが、日本の良さはサッカー界全体の素晴らしさにある。日本サッカーの勝利だ。しかも細谷以外は誰もA代表の出場経験がない。A代表の選手がいないことが、日本サッカーのレベルの高さを示している」
――それでは本大会の展望はどう見ていますか。ご存じのように本大会に向けては18人に絞り込むうえにヨーロッパ組とオーバーエイジの加入もあるので、チームが大きく変わる可能性があります。
「明らかに違うチームになる。また日本という国が、オリンピックを特別視していることもわかっている。日本は五輪に高い価値を置いている。本大会に向けてはベストチームを編成するだろう。またヨーロッパのクラブも、パリ五輪をチームをアピールするためのショーウィンドウと見なすだろうから、ヨーロッパ組やより経験豊富な選手たちが加わることで、本大会に臨む日本代表はまったく異なるチームになる」
攻撃の効率を上げるために久保、三笘、敬斗、伊東を
――日本はパラグアイ、マリ、イスラエルと同じグループDに入っています。
「マリはフィジカルが強く、イスラエルは近年長足の進歩を示した。日本が入ったのは4カ国が拮抗したグループで、簡単なグループではない。南アメリカとアフリカ、ヨーロッパという3つの異なるタイプのサッカーを実践する国々だ。しかし日本にもグループリーグ突破の可能性は大いにある」
――それでは本大会に向けて、これから何を伸ばしていけばいいのでしょうか?
「攻撃の効率をもっと上げるべきだ。ボールの配球やプレーのコレクティブな効率は申し分ないのだから。個の力で違いを作り出せる選手が前線に必要だ。攻撃で久保建英のような選手、あるいはオーバーエイジで三笘薫や中村敬斗のような、違いを作り出せる選手……。個の力による前線の衝撃が必要だ。これは日本が全体的に少し足りない部分でもある。
コレクティブにプレーしないと日本は前に進めない。だからコレクティブなプレーはいいのだが、違いを作り出せる選手がそこにいればより効果的だ。久保建英や三笘、そしてフランスでプレーする中村、伊東純也らは個人で違いを作り出せるだろう」
小久保、関根、高井らの守備陣は素晴らしいが…
――メダルの可能性はどうでしょうか。