濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
爆発的としか言えない“衝撃のKO劇”…フェザー級王者・鈴木千裕と朝倉未来、平本蓮の交錯はあるか?「実力の順列がすべてではない」RIZINの価値観
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2024/05/01 17:02
パンチのコンビネーションで金原正徳を攻め立てる鈴木千裕
鈴木の対極に立つ、朝倉未来と平本蓮の存在
RIZIN最年少王者はストレートに熱い。面白いのは、その対極に一筋縄ではいかない男もいることだ。鈴木vs.金原のゲスト解説を務めた朝倉未来、それに7月28日の『超RIZIN.3』で未来と対戦する平本蓮だ。彼らは試合前から毒のある言葉で世間を巻き込んでみせる。話題性も含め“朝倉未来がタイトルマッチをどう見るか”にニーズがあるからこその解説オファーだったはずだ。
同じフェザー級として、未来は鈴木と金原のトップ勢を追う立場だ。平本に勝ってトップ戦線に食い込むことを狙っている。
だから鈴木のほうが“格上”ということになるのだが、話題性や知名度では未来。未来vs.平本は、RIZIN史上最大規模となるさいたまスーパーアリーナ・スタジアムバージョンで行われる。集客力でいえば、タイトルマッチよりも上なのだ。
ただそれは“ねじれ”というようなものではない。
「RIZINは実力ナンバーワン決定戦がすべてではないので。実力の順列をつけるだけでなく、ファンが見たいものを提供したい」
榊原信行CEOはそう語っている。鈴木にはアメリカに進出し、ピットブルと再戦するプランもあるという。ピットブル戦でベラトールのタイトルも狙いたい鈴木の闘いも、朝倉未来vs.平本蓮もRIZINの軸だ。どちらが好きかはファンそれぞれが決めること。
だが勝っていけば、いずれ道は交わる。それは再起を期すクレベル、ケラモフも同じこと。ファイターたちは“見えないトーナメント”を闘い続ける。