濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
スターダム“最後の試合”でこらえた涙…退団する林下詩美と黄金世代の絆「お前は本当の同期だから」マリーゴールドで始まる“自分のための挑戦”
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byEssei Hara
posted2024/04/28 17:22
上谷沙弥、飯田沙耶、舞華とスターダムでの最後の試合を終えた林下詩美。
マリーゴールドで始まる「自分のための挑戦」
タッグマッチが終わると、今度はタッグパートナーの上谷が林下に対戦を求めた。今ここでやりたいと。決まったのは5分間のシングルマッチ。やはり組むだけでなく闘って気持ちを確かめ合いたかった。それがプロレスラーというものなのだろう。
前日のファンイベントでは、林下も上谷も「次にリングで会う時はシングルマッチで」と声を揃えた。上谷としては“次”が待ち切れなかったのかもしれない。あっという間の時間切れ。林下は“黄金世代”を味わい尽くしてスターダムを去った。
「今日は今のスターダムだけでなくこれからのスターダムを感じたかったし、みなさんにも見てほしかった。黄金世代のみんなが、これからのスターダムをどんどん大きくしてくれると思います」
これからはスターダム所属ではない、QQのリーダーでもない林下詩美が始まる。
「自分のための挑戦ですね。それでまた成長できると思います。みなさんにも見守ってほしい。新しい気持ちでプロレスができる。楽しみが凄く大きいです」
スターダム最終試合の3日後、林下やジュリアが所属する新団体「マリーゴールド」の旗揚げが発表された。「新しい挑戦、新しい林下詩美をお見せできたら」と記者会見での林下。スターダムでやり切ったからこその、力強い言葉だった。