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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「ひとりだけ特進クラスの生徒が」リバプール遠藤航いつからペラペラに? 現地も注目の流暢な英語力「数年前まで中学レベルの教材を…」
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byProSports Images/AFLO
posted2024/04/26 11:01
リバプールで信頼を勝ち取った遠藤航(31歳)。語学を駆使した高いコミュニケーション力は、プレミアリーグの舞台でも大いに活かされた
ここで簡単に、サカモトの経歴を紹介したい。
東京大学在学中に留学先のメキシコでタコス屋として働き、卒業後は飛び込みのプレゼンを経てブラジルの名門・サントスFCで広報の仕事に就くなど、東大文学部の先輩である小田実もかくやの「何でも見てやろう精神」を発揮。その行動力と語学力を駆使して、ネイマール来日時の通訳やガイナーレ鳥取の通訳をはじめサッカー界で活動の幅を広げ、2017年に「フットリンガル」を創業した。上京時は鳥取弁しか喋れなかった青年が国際派のマルチリンガルに至るまでの足跡は、サカモトの著書『東大8年生 自分時間の歩き方』(徳間書店)に詳しい。
「フットリンガル」の事業としての性格上、クライアントには海外挑戦を視野に入れた選手、つまるところ日本代表クラスの選手も少なくない。具体的には、原口元気、鈴木武蔵、室屋成、伊藤涼太郎といった選手たちがサカモトのもとで語学を学んでいる。
向上心も代表クラスだった原口元気
遠藤とは異なり「サッカー選手らしいキャラクター」だという原口だが、その向上心は語学学習においても“代表クラス”だった。サカモトは「自分に足りないものが何か、納得がいくまで突き詰めるタイプ」と分析する。
「根がすごく真面目だし、こういう考え方だから選手としてこのレベルまで到達できているんだろうな、というのが接していてよくわかります。個人的に嬉しかったのが、原口選手が『ベルリンの歴史を知りたい』と言ってきてくれたこと。語学だけでなく、自分が暮らす土地のことを理解したいと。語学は社会への見識を深めて、人生を豊かにするリベラルアーツの入口でもある。哲学に興味を持った遠藤選手に、東大でお世話になった小松美彦先生(科学史・生命倫理学)を紹介して、オンラインで座談会を開いたこともありました」