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「だってタケ上手いから」バスクの少女が久保建英推し、肩ポンポンされたボールボーイは…“画面に映らない愛されぶり”をカメラマンは見た
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/04/21 17:00
シーズンが佳境を迎える中、久保建英はレアル・ソシエダをどれだけ引き上げることができるか
ハーフタイムのピッチ上では、サブ組として久保がアップに励む姿が見られた。
目立ったテーピングなどはなく、その軽快な動きからは、後半途中での投入を予想させるものがあった。
後半に入ってベンチよりピッチ脇のアップエリアに久保が姿を見せると、拍手が起こり、また最前列から久保への歓声が送られた。
その久保は、ボールボーイの肩にそっと触れてコミュニケーションをとるようなリラックスした雰囲気を見せていたが――アップに入ると激しさを増し、ストップアンドダッシュを繰り返すなど、怪我の影響を感じさせなかった。
オヤルサバル先制弾のち久保投入で流れは良かったが
試合は後半14分、ベッカーのアシストからミケル・オヤルサバルがゴールを奪い、ソシエダがリードを奪った。大怪我からの復帰、そして順調にコンディションを上げてきたキャプテンの逆転ゴールに会場はヒートアップ。ゴール裏ではファンが一塊となって喜びを爆発させ、またピッチ脇ではアップ中の選手も拍手を送った。
そして25分、アンデル・バレネチェアに代わって久保がピッチへ投入された。
ソシエダがリードしている緊急性のない状況での投入だったことや、アップ時の様子からも怪我の不安は払拭されており、チームへの復帰が遅れたことが先発回避につながったようだ。
またアルメリアも同タイミングでFWアントニー・ロサノを投入し、攻撃の機運を高めている。
久保は、早々に相手に囲まれながらのドリブルを見せた。それ以降は右サイドに張りボールを要求したが、なかなかボールを引き出すことができず、試合に関与することがあまりできなかった。
終了間際、ソシエダに訪れた痛恨の瞬間
それでも、このまま勝利で試合を終えることができるのでは――さらには怪我明けの久保にはちょうど良い実戦での調整になったのではないか。
そんな楽観ムードや、混雑を避けるために早めにスタジアムを後にしようというファンの姿が見え始めていた。
終了間際の41分、アルメリアのサイド攻撃時、ボックス内ではソシエダCBのイゴール・スベルディアが、走り込むロサノに対応していた。
最後の砦として、身体を密着させ相手ユニホームにも手をかけながら、“確実に失点を避ける”そんな気迫と共に……。
ただロサノも一枚上手だった。