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アメリカ人に「大谷翔平スゴい」を言わせたい日本メディア…米記者が本音で語る“疑問”「なぜか僕は週に3度くらい日本の記事に登場する」

posted2024/04/19 11:03

 
アメリカ人に「大谷翔平スゴい」を言わせたい日本メディア…米記者が本音で語る“疑問”「なぜか僕は週に3度くらい日本の記事に登場する」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

米記者が本音で語る日本の「大谷翔平報道」への疑問とは

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サム・ブラム+ディラン・ヘルナンデス

サム・ブラム+ディラン・ヘルナンデスSam Blum + Dylan Hernández

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Nanae Suzuki

 大谷翔平を近くで取材し続けてきた「ロサンゼルス・タイムズ」記者のディラン・ヘルナンデス、「ジ・アスレチック」記者のサム・ブラム。2人が“忖度ゼロ”で明かした、日本の「大谷報道」への疑問とは? 4月12日発売の『米番記者が見た大谷翔平 メジャー史上最高選手の実像』(朝日新書)より、一部抜粋してお届けします。(全2回の1回目)※文中「トモヤ」は聞き手・訳の在米ジャーナリスト、志村朋哉氏

日米記者「質問の明らかな違い」

トモヤ サムは大谷の一挙手一投足を追う、20~30人の日本人記者たちを見たときは驚いた?

サム そうでもないかな。日本でそれだけの関心を集めていると分かってはいたから。僕はレンジャーズを取材したことがあるんだけど、その時に活躍すると言われていたけどダメだった日本人投手がいた。名前は何だったっけ?

ディラン 有原航平ね。

サム そう、彼にはそこまで多くの記者はついていなかったけど、エンゼルスが遠征に来た時に、大谷を取り巻くメディアがどんな感じなのかは見ていた。僕が一番、印象に残っているのは、日本のメディアとアメリカのメディアの人たちが、そんなにいつも交流しているわけじゃないけど、すぐに仲良くなれたこと。正直言って、大谷がエンゼルスを去って一番悲しいのは、日本の記者たちがいなくなってしまうこと。

 彼らに申し訳なく感じることもあった。生活の拠点をアメリカに移して、遠征地にも行って、全力で取材しているのに、大谷はほとんど話さないんだから。それでも、何とか日本の人たちにとって意義のある記事を書く術を見出していた。

本塁打王、最多勝…は重要ではない?

 僕は日本のメディアのインタビューを受けてきたけど、ディランも言っていたように、アメリカの記者がする質問とは違って興味深かった。たとえば、いつも確率を聞いてくる。大谷がMVPを受賞する確率はどれくらいかとか、本塁打王になる確率はどれくらいかとか。あと、僕らが気にしていないような記録に日本人が注目していたりする。たとえば、防御率のタイトルとか。

トモヤ 分かる。アメリカンリーグのホームラン王とか、最多勝とかね。

【次ページ】 日本人記者たちの「見えない努力」

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