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中日・立浪和義が開幕前にしていた予言「2024年からホントに“新たなドラゴンズ”が始まる」旧知の記者に語った改革の手応え「正直に言えば、1年遅れた」
text by
喜瀬雅則Masanori Kise
photograph byJIJI PRESS
posted2024/04/17 11:01
今季スタートダッシュを決めた中日。チームを率いて3年目、契約最終年の立浪和義監督が開幕前に漏らしていた今季への手応えとは…
「1年目、2年目が終わって、ずっと最下位ですから、理由はどうあれ、やっぱり結果の世界なんでね。言われることはホント、当たり前だと思う。当然監督って、誰でも勝ちたいんですよね。ただ1年目をやらせてもらった時に、ずっと低迷しているレギュラー陣を、自分は変えないといけないと思ったんです。結局、ほぼ、2024年で入れ替わるような感じですね。でも正直に言えば、1年遅れたな、というのが自分の中ではあるんです。だから、2024年から、ホントに“新たなドラゴンズ”が始まっていくかな、という風には思っているんです」
2024年、覚悟の長距離砲連続獲得
京田と阿部を放出し、2022、23年ドラフトでは6人の内野手、それも二遊間の選手を獲り、激しい競争原理を働かせた。2024年へ向け、中田以外の野手でも前巨人・中島宏之、前ソフトバンク・上林誠知、前阪神・山本泰寛、板山祐太郎の4人も補強した。
中日の弱点は「打」にあることは、数字が物語っている。
繰り返すが、2023年のチーム打率2割3分4厘、チーム得点390、チーム本塁打71はいずれもセ・リーグ最下位。特に390得点は同リーグ5位の広島を103点も下回り、トップの阪神には165点もの大差をつけられている。
だからこそ、勝負強さを誇る長距離打者は最優先の補強ポイントだった。
中田は日本ハム時代に10年連続100試合以上の出場を果たし、3度の打点王。2023年までの通算303本塁打は、西武・中村剛也(471本)に次ぐ現役2位の数字だ。
中島は通算1928安打。直近3年間での得点圏打率は3割を超えている。
上林もプロ4年目の2018年、143試合すべてに出場し、打率.270、22本塁打をマークした。その後の成績こそ伸び悩んでいるが、一時期は“柳田二世”とまで呼ばれたポテンシャルを誇るだけに、新天地での覚醒に期待がかかる。
反撃への態勢は、整いつつあるのだ。
<つづく>