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藤井聡太12歳と豊島将之24歳が出会って10年「タイトルをいずれ独占する」と予測した日も…名人戦「押される時間が長かった」藤井逆転の背景
text by
田丸昇Noboru Tamaru
photograph by日本将棋連盟
posted2024/04/13 06:00
第82期名人戦に臨んでいる豊島将之九段と藤井聡太名人
そして終盤の局面――豊島は残り時間を17分残している中で、ノータイムで金取りに打った△4四香が敗着だった。△4八竜で金を取れば勝ち筋になったところで、最後の集中力が欠けていた。
窮地を逃れた藤井は、しっかり寄せ切って141手で勝った。終局は21時22分。
豊島は「チャンスの局面があったのに、正しい寄せを逃したのはひどかった。ただ持ち時間が9時間の名人戦の対局を4年ぶりに経験できたのは良かった」と、前向きに語った。
藤井は「あまり想定されていない展開となり、内容的に押されている時間が長かった。しっかり振り返って次局につなげたい」と、反省の弁を述べた。
大山十五世名人の持つタイトル戦連勝記録まであと1勝
藤井名人は名人戦第1局に勝ち、初防衛に向けて好発進した。第2局は4月23、24日に千葉県成田市「成田山新勝寺」で行われる。また、藤井は本局に勝ってタイトル戦の対局で16連勝し、大山康晴十五世名人が持つ歴代記録の17連勝まであと1勝と迫っている。