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ベッツ大谷翔平フリーマン以降も魅力的…「ヒマワリの種テオは9年前、侍ジャパンと対戦」「212億円の捕手スミス」ドジャース打線マメ知識
posted2024/04/12 17:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
AP/AFLO
大谷翔平がやっと通常運転=無双状態になり、日本のファンの多くはほっとしていることだろう。しかし、今年の大谷翔平の周辺は「景色」が違う。もちろん赤から青への「衣替え」はインパクトがあったが、それだけではない。
エンゼルスとドジャース打線、中継を見ていて――その違いぶりに驚いている人も多いだろう。
エ軍時代、トラウト(とレンドン)以外は…
昨年まで6年間在籍したエンゼルスは、マイク・トラウトを除く大谷のチームメイトが目まぐるしく変わっていた。入団した当時は、レジェンドのアルバート・プホルズがいたが、毎年のように選手が変化していく。
昨年の顔ぶれで言っても、大谷の大の仲良しでWBCではイタリア代表として活躍したデービッド・フレッチャーはFAになって今はブレーブス傘下にいる。4番を打っていたハンター・レンフローはロイヤルズである。強豪とは言えないチームの定めとして、チームが解体モードになれば選手が目まぐるしく動く。
そんな中で大谷とトラウト、それに「不良資産」と言われたアンソニー・レンドンだけがずっと名前をとどめていた。それは少々わびしい景色ではあった。
しかしMLB屈指の名門で強豪チームのドジャースでは、ベンチの景色が違う。大谷の前後には、まさに「一騎当千」と言うべき――頼りになる選手が並んでいるのだ。
現役最多安打フリーマンは1億6200万ドル契約でド軍へ
1番のムーキー・ベッツは先日紹介した。2018年のMVPだ。
2番・大谷に続く3番のフレディ・フリーマンは、4月3日のジャイアンツ戦の7回、大谷が左腕テイラー・ロジャースの3-1からの5球目を打つと、右中間に飛ぶ大飛球の行方をじっくりと見届けていた。打球が客席に着弾した瞬間に、悠然と打席に向かって歩みを進めた。その慎重で、重厚な所作に、この選手の人柄がにじみ出ていた。
彼は2007年にドラフト2巡目(全体78位)でアトランタ・ブレーブスに入団、2010年にメジャーに昇格すると2013年からは、強豪チームのスター一塁手としてオールスターに5回選出、打撃のベストナインであるシルバースラッガーに3回選出。一塁手としても堅実で、ゴールドグラブも1回獲得。そして2020年にはMVPを獲得した。MLBに在籍する現役打者では最多の2132安打を打っている。