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ベッツ大谷翔平フリーマン以降も魅力的…「ヒマワリの種テオは9年前、侍ジャパンと対戦」「212億円の捕手スミス」ドジャース打線マメ知識
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byAP/AFLO
posted2024/04/12 17:00
今やお馴染みベッツ、大谷翔平、フリーマンの「MVPトリオ」はもちろん、4番以降の打者も多士済々なのがドジャース打線の名門たるゆえんだ
1人はロイヤルズのクローザー、そしてもう1人がドジャースでスター選手になろうとしている強打の捕手だ。
2016年ルイビル大からドラフト1巡目(全体32位)でドジャースに。2019年にメジャー昇格すると、デビューが強烈だった。初出場の5月28日のメッツ戦で2安打、6月1日のフィリーズ戦ではヘクター・ノリスからサヨナラ本塁打、わずか54試合の出場で15本塁打。以後「打てる捕手」として一軍に定着し、主にMVPトリオの後を打つ4番を任されている。
2023年にはオールスターに選出され、今シーズン開幕後に10年1.4億ドル(現在のレートで約212億8000万円)の契約を結んだ。来季、大谷が投手として復帰するときにマスクをかぶるのはウィル・スミスになるはずだ。
ただし肩は強いとは言えず、盗塁阻止率は2割台。最近の捕手には必須とされるフレーミングも優秀とは言えないが、昨年、新人のボビー・ミラーを好リードして評価を上げた。山本由伸はここまでの登板3試合のうち2試合がスミスとのコンビだった。大谷の1歳年下だが、彼もずっとチームメイトになるはずだ。
通算打率.228でもマンシーがドジャースの個性なワケ
三塁手のマックス・マンシーは、2012年にベイラー大学からドラフト5巡目(全体169位)でアスレチックスに、2015年にメジャー昇格するも2017年にリリースされドジャースに拾われる。エリートとはいえない野球人生だったが、粘りに粘って四球を取るしぶとさと長打力で生き残っている。
これまで一塁、二塁を守ることが多かったが、フレディ・フリーマンが加入してから三塁に回った。しかし2022年は25失策、20年は23失策、守備率は.950前後。今季早くも2失策。打球が三塁に飛ぶとヒヤヒヤする。
思い切り引っ張る打者で通算打率は.228だが、「極端な守備シフト」が禁止になった昨年、初めて100打点をマーク。下位に置けばこれほど嫌な打者はいないだろう。危うい魅力のマンシーもドジャースの個性の一つだといえる。