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りくりゅうは欠場中も「希望を失わなかった」落ち込んでいた木原龍一を支えた、三浦璃来の“ある一言”「あらためて良いチームだと思いました」

posted2024/03/29 17:12

 
りくりゅうは欠場中も「希望を失わなかった」落ち込んでいた木原龍一を支えた、三浦璃来の“ある一言”「あらためて良いチームだと思いました」<Number Web> photograph by Getty Images

ケガ、欠場を乗り越え、世界選手権で銀メダルを獲得した三浦璃来・木原龍一

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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 モントリオール世界選手権で、前年のタイトル保持者として挑んだペアの三浦璃来と木原龍一。木原の腰椎分離症という大きな怪我でシーズン前半を欠場した中、精いっぱいの演技を見せ、連覇こそならなかったものの銀メダルを手にした。

「たとえ滑れなくても…」毎日リンクを訪れた木原

 昨シーズンは三浦璃来が夏に左肩を脱臼し、およそ2カ月ほどトレーニング期間を失った。今季、木原の負傷が判明したのは、すでにシーズンに入っていた10月のことだったという。「リュウイチの痛みの原因がわかったのは、10月ジャパンオープンで日本に行った時でした」コーチのブルーノ・マルコットは独占取材に応えてこう語り始めた。

「腰の痛みは以前から訴えていたのですが、日本で検査を受けて、最終的に腰椎分離症であるという診断が出たのです」

 昨シーズンは出場した試合で全て勝ち続けてきた二人だが、今季はGPシリーズ、全日本選手権を欠場せざるを得なかった。そんな彼らをマルコットコーチは精神的な面も含めてどのようにサポートしていったのか。

「リクは他の選手たちと一緒にずっとリンクでトレーニングを続けていました。リュウイチはフィジカルセラピーなどの治療を受けて身体を休めながらも、リンクには毎日来てもらっていたんです。たとえ滑れなくても、彼がリンクにいることは大事だと私は考えていました」

欠場中のりくりゅうは「希望をずっと失わなかった」

 不安になったり、モチベーションを失ったりした時はどう対応したのか。

「もちろんつらかったと思います。出られない大会を映像で見ているのも、つらかったでしょう。でもリュウイチの痛みが少しずつ引いていくにつれて、慎重に、少しずつできることをやっていきました。ですから希望はずっと失わなかったと思います」

 医療関係者の指示を受けながら、少しずつスケーティング、2回転ジャンプ、リフトなどの練習を再開していったのだという。

 ようやく平常のトレーニングができるようになったのは、2月に上海で開催された四大陸選手権のわずか2週間前のことだった。結果はステラトデュデク&デシャンに次いで2位。だが得点は自己最高スコアよりも30ポイント低く、特にSPでは3シーズンぶりに60点台となった。

「SPのスコアが65点というのは、とても受け入れられなかった。あの時点ではそれが現実で、仕方のないことだったとはいえ、彼らはそんなスコアを目指してトレーニングしてきたわけではありませんから」

【次ページ】 緊張気味の三浦の横で、ニコニコしていた木原

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