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憔悴気味の大谷翔平が一転して笑顔に…古巣エンゼルスが“祝福”演出、トラウトと固いハグも、記者が見た開幕直前「大谷のリスタート」
posted2024/03/28 18:16
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
胸にしまい込んだ複雑な感情が、完全に吹っ切れたわけではないだろう。
ただ、25日に区切りの会見を終えたドジャース大谷翔平は、翌26日(日本時間27日)、古巣エンゼルスタジアムの観客席を、にこやかな表情で見渡していた。エンゼルス相手の第1打席。大谷が打席に入ったにもかかわらず、外野の大型スクリーンには、エンゼルス在籍時のハイライトシーン、さらに23年ア・リーグMVPを祝福するメッセージが映し出された。スタンディングオベーションが起こり、試合が止まると、大谷は青いヘルメットを頭上に掲げ、平日のナイターのオープン戦にもかかわらず、4万4377人が詰め掛けたスタンドに、笑顔で感謝の思いを伝えた。
僕も話したかった
韓国での開幕シリーズ中の開幕戦の直後に、メジャー移籍以来、大谷の通訳を務めていた水原一平氏が違法賭博疑惑でドジャースから解雇された。直後は、各国メディアが次々と続報をSNSなどで流し続け、野球界にとどまらない大騒動に発展した。その後、大谷は球団側の徹底したガードもあり、沈黙を保った。それでも騒動は一向に収まらなかった。
大谷が自ら口を開いたのは、本拠地ドジャースタジアムでエンゼルスとのオープン戦が行われた25日。記者会見とはいえ、質疑応答はなく、大谷がステートメントを発表するスタイルだった。それでも、「僕も話したかった」と素直な思いを明かした大谷は、予め用意された文章を読み上げるのではなく、時折、メモ書きを確認しながら、これまでの経緯、事実関係を、丁寧な言葉で、ほぼ時系列に沿って説明した。