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オリックスの開幕投手・宮城大弥に聞いた「山下舜平大はライバルですか?」その答えに見えた“愛されキャラ”だけじゃない「新エースの肖像」 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byHideki Sugiyama

posted2024/03/29 11:07

オリックスの開幕投手・宮城大弥に聞いた「山下舜平大はライバルですか?」その答えに見えた“愛されキャラ”だけじゃない「新エースの肖像」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

オリックスの新エースとして開幕投手をつとめる宮城

 タイプは違うが、どちらも打者にとっては嫌な投手で、違ったすごさがあるのでは。

 そう伝えても、宮城は納得していないようだった。

「そう言われるのは嬉しいんですけど、彼、本当にすごいんで(笑)。僕のすごさより、彼のすごさのほうが伝わりやすい」

「そこは勝てない」山下の凄み

 確かに山下の剛速球は1球で観る者を唸らせるすごみがあるが……。

「相手に与えるイメージだったり、そういうところはやっぱり、どうしても勝てない。僕はただ3年間ローテーション回った、終わってみたらすごかった、みたいな感じ。それに対して彼は、投げる試合投げる試合、すごい。相手に与える一発のダメージがでかいので、そこは勝てない。それは彼のすごさだと思います」

 3年間ローテーションを守り、二桁勝利を続けることは並大抵のことではないのだが。

「もし彼が1年間ローテーションを回れたらって考えた時のほうが、ものすごい成績が出るんで。回れた時には手も足も出ないです。どのピッチャーに対してもそう思いますけど、彼には特に思います」

“松坂”ではなく“和田”に…

 山下への賛辞が止まらない。だがそれはそれとして、宮城は今、違った境地を目指そうとしている。

「僕は、野球が終わった時に『すごかった』と言われたい。ペータ(山下)とかは、野球をやってるその時に『すごい』とか、『嫌な相手』だと言われるタイプだと思うけど、僕は、終わってから、『地味だったけど、こういう人もいたんだな』みたいな感じで思ってもらえれば。僕の孫世代とかに、こんな、球も普通くらいの速さで、むしろ今の時代ではちょっと遅いぐらいだけど、それなのに打たれなかったんだ、というふうに思ってもらえたら一番嬉しいですね」

 理想として挙げたのが、ヤクルトの石川雅規やソフトバンクの和田毅だ。

「和田さんの世代だったら、松坂大輔さんが今でも語り継がれていますけど、和田さんは今も現役で長くやられています。メジャーにも行かれて、日本に戻ってからも一昨年ぐらいに(41歳で)最速を出したり。あの年齢であのボールを投げられていることはすごい。そういうところを目指したい。憧れている部分はあります。

 松坂さんはよく映像も出てきますし、もちろんすごいんですけど、そっちはペータにお願いして(笑)。僕は、終わってみて、よーく考えたら、あ、すごい投手だったなって思われるように」

【次ページ】 宮城が乗り越えたコンプレックス

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