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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
水原一平氏は「賭博が違法と知らなかった?」胴元弁護士「ミズハラは野球賭博は行っていない」と明言も…検察官「ウソをつくことは重大な犯罪だ」
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byAFLO
posted2024/03/25 20:01
違法賭博関与で3月21日にドジャース解雇となった水原一平氏(左)。韓国でのMLB開幕戦前の記者会見には大谷翔平の通訳として同席していた
Twitter(現X)でギャンブルのアドバイスを求めたのが大リーグ機構の目に留まり調査されたが、野球賭博をしていないこと、また本人が調査に協力的だったこともあり罰金のみに留まっている。
大リーグ機構は選手のSNSアカウントを常にモニターし、こういった違法賭博や犯罪に関わっていないかチェックしている。
罰金のみに留まったコザート氏は2016年までマーリンズ、その後パドレスに移籍し、2017年までプレーを続けた。バイアー氏の処分とは歴然とした差があるのも興味深い。
前述したプイグ氏の件は連邦政府主導で、バイアー氏やコザート氏は大リーグ機構主導で行われたものだが、アクセスしていた賭博サイト、賭けたスポーツ、回数、金額、負債額、ブックメーカーとのやりとりなどが証拠として出てくるのは共通している。
「嘘をつくことは重大な犯罪だ」
今回の件に関してもボウヤー氏に続き水原氏、大谷選手の電子情報も解析することで、水原氏の賭博に関する詳細はもちろん、送金方法、その他のお金の流れも明らかになっていくだろう。
DOJ(米国司法省)の関連文書を見ると、上記はIRS(米国内国歳入庁)の刑事捜査局や国土安全保障省国土安全捜査局(HSI)の金融犯罪対策委員会などが主導で捜査が進められる。
大リーグ機構も調査を開始したが、まず司法による捜査報告を待つのか、それとも独自調査の結果で公式な声明もしくは処分を下すのか、その辺りも気になるところだ。
プイグ氏の件を担当した検察官は「犯罪行為を隠蔽しようとして連邦捜査当局に嘘をつくことは重大な犯罪だ」と言っている。
水原氏はESPNへの取材に対してたびたび発言を翻しているが、司法の場ではそれは虚偽報告とみなされる。通信機器の提供も含めて彼が捜査にどこまで協力するのか、真実を話すのかが最大の鍵となる。
<前編から続く>