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「一平さん、嘘でしょ…」チケット代“2日で32万円”韓国行ったファンの本音…水原一平の解雇、心震えた日本人選手への応援「その時、現地は?」
text by
YukoYuko
photograph byNanae Suzuki
posted2024/03/25 17:15
韓国・高尺スカイドームまで応援に行った日本人ファンの観戦記
気持ちを整理すべく街へ…
気持ちを切り替える。大谷選手は出場予定である。ほかにも日本人選手がこぞって出場する予定だ。なにせ、支払ったチケット代は、1日目が内野席25万円、2日目が外野3階席7万円であった。楽しまなくてはならない。
夕方19時過ぎのプレイボールまでの間、鬱屈する思いをリフレッシュすべく、街に出た。歩いてみるとわかるが、ソウルは街の中心部であっても坂道や丘が多い。「近場の韓国旅行は今後の楽しみにとっておこう」と思っていたのだが、足腰が弱ってからだときついかもしれないな、と思った。この起伏に富んだ地形が、ガイドブックに載っている「ビューマッチブ」(景色がおいしいお店)な飲食店の人気の背景にあるのかもな、とわかった。映画で見た「半地下」の建物の構造も、この坂道の地形に由来しているんだろうと思った。
歩くと、街のあちこちで「Seoul, my soul」という、ソウル市のキャッチコピーを見かけた。「ソウルは私のsoul<魂>を満たす」。素敵な響きだ。
かなりの距離歩き回り、逆にパワーチャージした。さあ再び、高尺スカイドームへ。
「山本投手が通用せずに誰が通用するのか」
本日の開幕第2戦の見どころは、言うまでもなく、メジャー初登板となる山本由伸投手だ。昨日のダルビッシュvs大谷選手の対決のように、どちらを応援しようかと迷う必要はない。山本投手の応援一択、の日である。
昨年わたしは、1回だけ、京セラドームに山本投手の登板を見に行けた。あの9月9日のノーヒットノーラン達成の次の登板試合で、山本投手が打たれ、途中降板していた。「山本投手でもこんなことがあるのか」と、ある意味で貴重な試合を見たと思った。
今日2024年3月21日の山本投手は、おおげさではなく、日本の全野球ファンの期待を背負って登板したと思う。「山本投手が通用せずに誰が通用するのか」と誰も彼もが思っていたに違いない。
けれど、1回表で大量5失点を喫し、早々とマウンドを降りた。山本投手らしからぬ制球の不安定さが、センター3階席の素人目でもわかった。ヤマモト――。さぞかし無念だろう。