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大谷翔平と鈴木誠也の“メジャーでも息ピッタリ”な関係性…話題の釣りパフォーマンス後、取材陣に見せた“大谷イジリ”「翔平にやり返しました」
posted2023/06/15 11:01
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
JIJI PRESS
まるでお笑い芸人のような息のあった寸劇だった。『釣り人』になった大谷翔平が釣竿を大きく投げ込みリールをクルクルと巻く。『お魚』の鈴木誠也がパクンとエサに食いつき引き寄せられていく。ふたりの絶妙な間合いは見事だった。
ふたりはともに1994年生まれの同級生。「きっと日本時代からのもちネタを披露したに違いない」。そう思い込んだ報道陣は多くいた。
誠也に聞いた。
「釣りパフォーマンスはいつから2人でやっているのですか?」
誠也は笑っていた。
「わかんないっす。あいつがやってきたんです。いきなり。翔平が1発目(第1戦の試合前)にやってきたんで。今日は釣ってやろうと(笑)。やり返しました」
阿吽の呼吸は見事だった。3戦目を前に役割をチェンジ。『お魚』になった大谷がちょっぴり照れながらもエサに食いつく姿は見るものを楽しませた。
トラウトとの対面にド緊張の誠也「僕、シャイなんで…」
3拍子揃った右の大砲と二刀流のメジャー初対決。誠也にとっては大谷との再会にも大きな意味はあったが、憧れの人を間近で見られる喜びはとてつもなく大きかった。
「アイ・ラブ・ユー、マイク・トラウト」
入団会見で気持ちを伝えたこの言葉は日本だけでなく米国でも広く知られていた。
トラウトは本拠地では早出の打撃練習を続けていた。3連戦最終戦。誠也は午後2時半から始まるトラウトの早出練習の時間に合わせフィールドへ出た。ダグアウトからならばわずか20メートルほどの至近距離で見られるフリー打撃をわざわざ右翼ポール際まで行き、そこから食い入るように見つめた。鈴木らしい行動だった。
ダグアウトへと引き上げる鈴木に声をかける救世主がいた。エンゼルスの寺田庸一マッサージセラピスト兼アスレチックトレーナーがトラウトと引き合わせてくれたのだった。