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WBCのNetflix独占問題「民放はネトフリの“入り口”に成り下がる」テレビ局関係者のタメ息…「米国ではサブスクに年間70万円も」地上波からスポーツが消える日
posted2025/08/29 17:03
記憶に新しい前回大会。来年3月のWBC、地上波では見られない公算が大きい
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生島淳Jun Ikushima
photograph by
JIJI PRESS
2026年3月18日の朝(日本時間)、ワールドベースボールクラシック(WBC)は、2大会連続で日本対アメリカの決勝戦を迎えようとしていた。
日本の朝の情報番組では、決勝戦を盛り上げようと長い尺を取っている。決勝の舞台となるマイアミ・マーリンズの本拠地、ローンデポ・パークの周りからのレポートも盛んだ。
さあ、決勝戦を観ようじゃないか!
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しかし、野球ファンの多くはそこで地上波から離れ、リモコンの入力切替ボタンを押して、Netflixを選択する。
あるいは、「そこまでしなくとも」と考えている野球ライト層はライブ中継を見ることなく、午後の情報番組で結果を知れば十分、と割り切る。
これが2026年3月18日に予想される日本でのWBCの視聴環境だ。
「地上波で見ることができません」
8月26日、Netflixは意気揚々とWBCの独占配信を宣言した。
「Netflixは、メジャーリーグ ベースボール(MLB)が所有し、MLB選手会と共同でワールドベースボールクラシックを運営するWORLD BASEBALL CLASSIC INC.(以下、WBCI)とのメディアライツにおける独占パートナーシップにより、2026年ワールドベースボールクラシックの日本国内における新たな視聴先として、ライブ配信を行うことになりました」
独占である。
「本契約により、日本の視聴者の皆さまは、2026年に開催されるワールドベースボールクラシックの全47試合を、Netflixのライブおよびオンデマンドでご覧いただけます」
この文章を別の方面から解釈するなら、こう読める。
本契約により、日本の視聴者はWBCを地上波で見ることができません。
スポーツサブスク時代の本格到来。恐れていた事態が出来してしまった。
テレビ局関係者「サブライセンスもないと思われます」
これに対し、東京プールの開催権を持つ読売新聞は、こう声明を発表した。
